縄文時代の約1万年間に作られた土器・土偶が全国から集結
旧石器時代の後、約1万年続いた縄文時代。狩猟、漁撈(ぎょろう)、採集におる生活を送る中で生まれた土器、石器、土偶、装身具などの道具に着目し、「縄文の美」をテーマに国内全域から造形の優れた出土品を一堂に集めて、その技や思いに迫る企画展です。
縄目の文様を持つ土器が使われたことに由来する縄文時代は、氷期が終わって日本列島が温暖湿潤な気候に変わったこと、それにより山、森、川、海と自然環境が多様化して、狩り、漁、植物などを採りながら定住できるようになったことが大きく影響しています。約1万年間と長い期間続きましたが、出土品の特徴を踏まえて、紀元前1万1000〜7000年を草創期、紀元前7000〜4000年を早期、紀元前4000〜3000年を前期、紀元前3000〜2000年を中期、紀元前2000〜1000年を後期、紀元前1000〜400年を晩期という形で時代分けされています。
草創期の縄目文様の土器から、中期のダイナミックな造形の火焔型土器、後期の土偶、晩期の土製耳飾へと時代が進むにつれて、形が変わり、装飾が施され、実用的な道具以外の装身具、土偶や石棒といった儀礼の道具なども作り出されました。時期や地域によって、大きく変化する縄文土器はその造形美が世界的に注目されており、中でも火焔型土器はその存在感と美しさから広く知られています。
本展では、縄文時代の始まりから終わりまで、国内全域を網羅して出土品を取り上げ、その造形の豊かさ、自然や命への感謝の思いを深堀していきます。教科書にも掲載されている遮光器土偶、素材の特性を生かしたしなやかさのある木製編籠(縄文ポシェット)などに加え、9万件を超える縄文土器のうち、「土偶 縄文のビーナス」、「土偶 縄文の女神」を含む6件の国宝が初めて勢ぞろいします(うち2件の展示は、7月31日(火)〜9月2日(日))。1950年代に岡本太郎らが芸術的価値を見出したと言われ、近年再評価が進んでいる“縄文の美”をじっくりと展観できる貴重な機会となります。
展覧会名 | 特別展「縄文−1万年の美の鼓動」 |
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会期 | 2018年7月3日(火) 〜 9月2日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし7月16日、8月13日は開館)、7月17日(火) |
時間 | 9:30〜17:00(金曜・土曜は21:00まで、日曜・祝日は18:00まで) ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 900円、中学生以下無料 |
公式サイト | https://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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