藤村龍至展 ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用

多くの意見や情報を取り入れる独自の設計手法にクローズアップ

単純な形から始まり、一つずつ条件を反映しながらたくさんの模型を使って比較・検討、設計を組み立てていく建築家の藤村龍至氏。多くの情報や意見を取り入れて進めるその建築手法に焦点を当て、狙いや実際のプロジェクトでのプロセスを掘り下げながら、次世代の建築を考える企画展です。

2005年に建築設計事務所(現RFA)を主宰し、2016年より東京藝術大学准教授を務める藤村氏。設計とは、今知っていることを素早く「かたち」にし、「かたち」にしたものを「ことば」に変換して新しい知識にすることの繰り返しで、この2つの創造的な関係は「ちのかたち」として捉えられると話しています。評論活動や教育活動に加え、近年は市民を巻き込んだ開かれた建築にも挑戦。2017年に手掛けた大宮駅前の公共施設「OM TWRRACE」のプロジェクトでは、公開ミーティングを6回行い、街路を引き込んだ屋上のテラスを造成し、地域活性への足掛かりをつくりました。多くの意見を取り入れることで最適な解を導くという理念に基づいています。「平凡に映る意見の集合も、十分に大きな集合であればひとりの天才を超える可能性が開かれます。他方で建築が今、デモクラシーとポピュリズムの間で揺れているように、世論や市場の暴力に抗い、より普遍的で創造的な解を導くことは、建築にとって困難な問いであり続けています。しかし私たち建築家はいま、AI(人工知能)の技術が進化し、より多くのデータを直接扱うようになった社会で、多様性を認め、寛容な社会の実現を信じて、より多くの知恵が集まれば集まるほどよりよいものができる、と言い切ることに挑戦するべきではないでしょうか」。

本展では、実際に使った300余りの模型群、数千に上る画像をAI(人工知能)に学習させてデザインした椅子、施工風景を含むタイムラプス映像など、「かたち」が出来上がっていくまでのプロセスを展観し、その理念と具体的な活動を掘り下げます。建築を社会の様々な課題解決に向けた創造的な知のツールとして再定義する理念が、これからの建築の在り方をも考えさせる奥深い内容となっています。

すばる保育園(福岡県、2018年) ©Takumi Ota
OM TERRACE(埼玉県、2017年) ©Takumi Ota

©Gottingham
©Gottingham
開催概要
展覧会名 藤村龍至展 ちのかたち――建築的思考のプロトタイプとその応用
会期 2018年7月31日(火) 〜 9月30日(日)
休館日 月曜、8月11日(土)〜8月15日(水)
時間 11:00〜18:00
会場 TOTOギャラリー・間
港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F
入館料 無料
公式サイト https://jp.toto.com/gallerma
問合せ 03-3402-1010
2018年8月更新