リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」

絵画のようなインスタレーション。歴史ある原美術館を意識した新作も

台北を拠点に活動する香港出身のアーティスト、リー・キット。アートを通して自身の在り方を問い、展覧会を開催する街や場所の空気や感情に寄り添った作品を創り上げる点に注目し、初期から現在までを展観する企画展です。日本の美術館では初の個展となり、同館のための新作インスタレーションも発表されます。

1978年、香港に生まれ、2008年香港中文大学美術学部修士課程を経て、活動をスタート。その後、拠点を台湾に移し、アジア、アメリカ、ヨーロッパ各地に滞在して作品を制作しています。2010年の個展「Well, that's just a chill.」を含めて、シュウゴアーツで3度個展を開催し、2013年、ヴェネチアビエンナーレに香港代表で参加。香港館の屋内外に展開したインスタレーションで、ウォール ストリート ジャーナル紙の「必見の展示ベスト5」に選出され、一躍脚光を浴びました。2015年に資生堂ギャラリーで開かれた「The Voice Behind Me」展では独自の感性で作られたインスタレーションで注目を集め、同じく2015年に、広島市現代美術館のグループ展「被爆70周年 ヒロシマを見つめる三部作/ふぞろいなハーモニー」に参加しています。2016年には、ウォーカー アート センター(アメリカ、ミネアポリス)と、S.M.A.K(ベルギー、ゲント)にて、個展を同時に開催し、翌年にはパレ ド トーキョー(フランス、パリ)の「Sous le regard de machines pleines d'amour et de grâce」展に参加するなど、精力的に活動を続けています。

 本展では、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズ、ドローングやプロジェクター、家具などを配置して絵画のように仕上げたインスタレーションなど、初期から現在までの作品を紹介します。
 初期の絵画シリーズは、色と柄のある抽象絵画でありながら、テーブルクロスなどの布を利用していることから、日用品という具象でもある点が絵画の概念を広げていて、革新的な作品群と言われています。インスタレーションでは、展覧会を開催する街や場所の空気、感情に寄り添って、それに合わせた作品を創り上げる点が特徴的です。原家の私邸から始まり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後、美術館となった同館の40年の足跡をベースに手掛ける新作のインスタレーションは必見。アジアのアートシーンを牽引する作家の魅力を感じ取れる内容となっています。

©Lee Kit, courtesy the artist and ShugoArts
© Lee Kit, courtesy the artist and ShugoArts

個展「Not untitled」(シュウゴアーツ、2017年)より「Only the wind」© Lee Kit, courtesy ShugoArts(参考図版)
個展「Hold your breath, dance slowly」(The WalkerArt Center、2016年)より展示風景© Lee Kit, courtesy the artistand ShugoArts(参考図版)
開催概要
展覧会名 リー・キット「僕らはもっと繊細だった。」
会期 2018年9月16日(日) 〜 12月24日(月・祝)
休館日 月曜(ただし9月17日・24日、10月8日、12月24日は開館)、
9月18日(火)、9月25日(火)、10月9日(火)
時間 11:00〜17:00(祝日を除く水曜は20:00まで)
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 原美術館
品川区北品川4-7-25
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 1,100円、高大生 700円、小中生 500円
※原美術館メンバーは無料
※学期中の土曜日は小中高生の入館無料
公式サイト http://www.haramuseum.or.jp
問合せ 03-3445-0651
2018年9月更新