何気ない情景に潜む緻密な仕掛けが魅力! 約30点が初来日する大規模回顧展
19世紀末から20世紀前半にかけてフランスで活躍したナビ派の画家、ピエール・ボナール。浮世絵の影響を受け、躍動にあふれる装飾的な作品を描いて「日本かぶれのナビ」と呼ばれたその魅力を絵画、素描、版画、写真などから掘り起こす大規模な回顧展です。
1867年、パリ郊外に生まれたボナールは、パリの画塾アカデミー・ジュリアンに通い、ポール・セリュジエ、ポール・ランソン、モーリス・ドニらと出会います。1888年、ポール・ゴーギャンの教えを受けたセリュジエを中心に、エドゥアール・ヴュイヤールらとともに「ナビ派」を結成。父の望んだ法律の道ではなく、画家になることを決意します。
1890年、エコール・デ・ボザールで開催された「日本の版画展」に衝撃を受け、ジャポニスムの影響が現れた作品を描くようになります。1925年には、長年恋人だったマルト・ド・メリニー(本名マリア・ブルサン)と結婚し、カンヌ近郊のル・カネに居を構えました。
本展では、7章立てで画業を振り返ります。「1章 日本かぶれのナビ」では、ナビ派の一員として、繊細で奔放なアラベスクと装飾モティーフが特徴的な作品が登場。浮世絵の美学を積極的に取り込み、縦長の構図や平坦な色面構成を試みました。《庭の女性たち》など、ジャポニスムの影響を受けた作品や、親密な室内情景を描いた作品なども紹介されます。「2章 ナビ派時代のグラフィック・アート」では、リトグラフによるポスターや本の挿絵、版画集など、初期の作品に迫ります。「3章 スナップショット」では、水遊びに興じる甥っ子たちや恋人マルトのヌードを写した美しい写真を展示。「4章 近代の水の精たち」では、画業全体で重要な位置を占める裸婦作品に注目。「5章 室内と静物「芸術作品―時間の静止」」では、“親密さ”をテーマに描かれた作品がそろいます。《桟敷席》や《ル・カネの食堂》など、日常の些細な変化を“時間の静止”と捉えて描きました。「6章 ノルマンディーやその他の風景」では、《ボート遊び》など、やわらかな光の中にひろがる風景を描いた作品を取り上げます。「7章 終わりなき夏」では、色彩に満ちた終わることのない“夏”を描いた《水の戯れ あるいは 旅》などが展示されます。
オルセー美術館のボナール・コレクションと国内外の優品を加えた130点以上の作品が一堂に集い、うち、約30点は初来日。初期から晩年までトータルに展観できます。
展覧会名 | オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展 |
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会期 | 2018年9月26日(水) 〜 12月17日(月) |
休館日 | 毎週火曜日 |
時間 | 10:00〜18:00 ※金・土曜日は21:00まで、ただし9月28日(金)、29日(土)は21:00まで ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 国立新美術館 企画展示室1E 港区六本木7-22-2 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 1,600円、大学生 1,200円、高校生 800円 |
公式サイト | https://www.nact.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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