ゴージャスな装いから日常生活まで! 浮世離れした花魁の魅力に迫る
江戸時代、遊郭として栄えた吉原。数多くいた遊女の中でも高いランクを誇った花魁に焦点を当て、その豪華な衣装や普段の生活などを浮世絵作品から読み取り、現代でも愛されるその魅力に迫る企画展です。
花魁は、艶やかな姿と振る舞いが浮世離れした魅力を放ち、現代でも繰り返し映画化やマンガのヒロインとして登場しています。武士、裕福な町人、当時の著名人も通う人気トップの花魁になるには、美貌だけでなく、文学などの教養を備え、芸事にも秀でていることが必須でした。華麗な交流や暮らしが注目される一方で、一生を遊里で終える者もいた過酷な境遇を理解していた江戸の人々は、花魁たちを修業するだるまや悟りの境地に近い普賢菩薩に例えることもあったといいます。
本展では当時の最新モードを着こなしていた花魁の装いや日常生活を捉えた浮世絵を紹介します。鳥高斎栄昌「扇屋見世略 あやこし はしたて はなひと」(前期)、歌川国貞「松葉屋内代々山 かけを にしき」(後期)では、櫛や簪をいくつも挿した派手な髪型、華やかな着物の柄や取り合わせ、前結びの帯など、独特のファッションに注目。特に歌川豊春「桜下花魁道中図」(前期)では、妹分の禿(かむろ)や遊女見習いの振袖新造(ふりそでしんぞう)などのお供を引き連れて、客を迎えに行く花魁道中が描かれ、人気絶頂期の花魁のゴージャスぶりがうかがえます。一方で、喜多川歌麿「青楼十二時 続 卯ノ刻」(前期)など、客の世話をしたり、朋輩と寛いだり、時にはやきもちを焼いたりといった遊里の中での暮らしをクローズアップした作品も登場。緻密な表現が魅力の肉筆美人画では、宮川長春「美人立姿図」や喜多川歌麿「美人読玉章図」、鳥文斎栄之「吉原十二時絵巻」などの優品が並び、版画とは異なる見所を楽しめます。客の目に触れない時間も含めた、多様な花魁の姿が楽しめるユニークな内容となっています。
展覧会名 | 花魁ファッション |
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会期 | 2018年11月2日(金) 〜 12月20日(木) ※前後期で全点展示替え 前期:11月2日(金) 〜 11月25日(日) 後期:11月30日(金) 〜 12月20日(木) |
休館日 | 11月5日(月)、12日(月)、19日(月)、26日(月)〜29日(木)、12月3日(月)、10日(火)、17日(月) |
時間 | 10:30〜17:30 ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 太田記念美術館 渋谷区神宮前1-10-10 |
入館料 | 一般 700円、高大生 500円 |
公式サイト | http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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