画家、デザイナー、造形教育と多彩に活動したイタリアを代表する美術家
絵画や彫刻からグラフィック、工業デザイン、絵本など幅広く活動してきた20世紀を代表する美術家ブルーノ・ムナーリ。誰もが楽しみながら美術のデザインに触れ、自分でも創作できるようにすることを目指して創作を行ったその生涯に着目し、1985年の展覧会の出品作品を中心に約300点の作品で振り返る日本初の本格的な回顧展です。
1907年、ミラノで生まれたムナーリは、1925年にイタリアの詩人フィリッポ・マリネッティに出会い、未来派の一員となって作家活動を始めます。当初は絵画作品を発表していましたが、1930年代に入り、紙片や板や棒などを細い糸で繋ぎ、天井からつりさげて、風の流れで動く〈役に立たない機械〉を制作。この頃から多彩なジャンルでの創作を手掛けるようになっていきます。第二次世界大戦後、前衛芸術運動「MAC」に参加しました。グラフィックやアートディレクターの仕事も行うようになります。1965年に日本で初個展、1985年にはこどもの城で展覧会を開催。晩年は、子どものための造形教育に力を注ぎ、ワークショップなどを実施しました。
本展では、未来派の一員となって作家活動をスタートさせた〈プロローグ:未来派の頃〉を皮切りに、〈絵はあらゆる箇所が生きている〉、〈子どもはすべての間隔で世界を認識している〉、〈どんな素材にもファンタジアへのヒントがつまっている〉、〈考古学のアイデアを美術の領域に取り入れる〉、〈みんなの美術にたどりつきたかったら〉、〈作品は無限の変化の一つとして出現する〉、〈どれほど多くの人が月を見て人間の顔を連想するか〉という、1985年にこどもの城で行った子どものためのワークショップからヒントを得た7つのテーマで展開します。エピローグは、ムナーリが開発した遊具を手に取って遊べる〈エピローグ:アートと遊ぼう〉。スタンプを使って挿絵を描いた《『みどりずきんちゃん』のためのイラストレーションとレイアウト》、縞のある石にペイントした《みたての石》、色彩と触覚だけで物語を想像する《読めない本の試作》など、シンプルな考え方から作られた大人も子どもも親しめる作品が並びます。
展覧会名 | ブルーノ・ムナーリ ― 役に立たない機械をつくった男 |
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会期 | 2018年11月17日(土) 〜 2019年1月27日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし12月24日、2019年1月14日は開館)、 12月25日(火)、12月29日(土)〜2019年1月3日(水)、2019年1月15日(火) |
時間 | 10:00〜18:00 ※入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 世田谷美術館 世田谷区砧公園1-2 |
入館料 | 一般 1,000円、65歳以上 800円、大高生 800円、中小生 500円 |
公式サイト | https://www.setagayaartmuseum.or.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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