バルセロナはいかにして特異な芸術都市になったのか?
この地にひしめいた芸術家たちの作品から探る
食文化、スポーツ、世界遺産サグラダ・ファミリアなど豊かな観光資源で人々を魅了しつづける国際都市バルセロナ。北はフランスに接し、南に地中海を望む温暖な気候、経済的発展、そして独自の言語文化を背景に、特異な芸術文化を形成してきた。特に、都市の近代化が進んだ1850年代から、万博を経て1930年代後半のスペイン内戦に至るまでの約80年間は、カタルーニャ芸術が最も成熟した時期でもあった。本展は、世紀末カタルーニャに満ちた熱気を、絵画、ドローイング、彫刻、家具、宝飾品など約130点であますことなく紹介する。
街の近代化、万国博覧会、カタルーニャ独自の言語と文化の復興運動「ラナシェンサ」の興りなど、都市の拡張と文化的アイデンティティの確立で成熟していった19世紀のバルセロナ。その頃、富を得たブルジョワジーは競い合って邸宅を建て、アントニ・ガウディをはじめ、リュイス・ドゥメナク・イ・ムンタネー、ジュゼップ・プッチ・イ・カダファルクなど、現在のバルセロナの景観を形作った建築家たちが大いに活躍する。
また1897年には、パリのカフェ「シャ・ノワール(黒猫)」からヒントを得て、ラモン・カザスとサンティアゴ・ルシニョルは仲間4人で、バルセロナのムンシオー通りにカフェ「四匹の猫(アルス・クアトラ・ガッツ)」を開店。芸術家や知識人の溜まり場となったこの店はカタルーニャ文化の発信地となり、若き日のピカソも初めての個展をここで開く。それに続くように、ミロやダリはバルセロナのダルマウ画廊の後押しによって1920年代以降パリに進出。やがて、シュルレアリスムの中心人物となる。また、ル・コルビュジエに影響を受けたバルセロナの建築家がグループを結成するなど、建築界でも前衛的な動向が活発になった。
19世紀末のバルセロナにひしめいた芸術家たちの熱気と、今も人々を虜にする街や文化の魅力が、さまざまな視点から浮き彫りになるだろう。
展覧会名 | 奇蹟の芸術都市バルセロナ |
---|---|
会期 | 2020年2月8日(土) 〜 4月5日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし2月24日、3月30日は開館)、2月25日(火) |
時間 | 10:00〜18:00(金曜日は20:00まで) ※入館は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京ステーションギャラリー 千代田区丸の内1-9-1 |
入館料 | 一般 1,300円、高大生 1,100円、中学生以下無料 |
公式サイト | http://www.ejrcf.or.jp/gallery/ |
問合せ | 03-3212-2485 |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。