地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面する私たちがすべきことは?
アートを介してサステナブルな世界の実現を考える
アイスランド系デンマーク人アーティスト、オラファー・エリアソンの、日本で10年ぶりとなる大規模な個展。
オラファー・エリアソンはアートを介したサステナブルな世界の実現に向けた試みで、国際的に高い評価を得てきたアーティストだ。本展覧会は、エリアソンの再生可能エネルギーへの関心と気候変動への働きかけを軸に構成される。それは展覧会のタイトルにも反映されており、「〈ときに川は橋となる〉というのは、まだ明確になっていないことや目に見えないものが、たしかに見えるようになるという物事の見方の根本的なシフトを意味しています。地球環境の急激かつ不可逆的な変化に直面している私たちは、今すぐ、生きるためのシステムをデザインし直し、未来を再設計しなくてはなりません。そのためには、あらゆるものに対する私たちの眼差しを根本的に再考する必要があります」とエリアソンは言う。
オラファー・エリアソンは1990年代初めから、写真、彫刻、ドローイング、インスタレーション、デザイン、建築など、多岐にわたる表現活動を展開してきた。本展は、エリアソンの代表作を含む、多くが国内初公開となる。
幼少期に多くの時間を過ごしたアイスランドの自然現象を、長年にわたり撮影してきた《溶ける氷河のシリーズ 1999/2019》(2019年)は、過去20年間の氷河の後退を鑑賞者に体感させる。また、私たちと自然との複雑な関係をめぐる思考が反映されたエリアソンのインスタレーションは、光、水、霧などの自然現象をしばしば用いることによって、周りの世界を知覚し、世界をともに制作する方法について、私たちひとりひとりの気づきをうながす。さらに、本展覧会では、最初期の代表作として、暗闇の中に虹が現れる《ビューティー》(1993年)を紹介。アトリウムの吹き抜け空間では、大規模なインスタレーションが本展のため制作された。
私たちは、伝統的な進歩史観から脱却し、未来を再設計できるのか。エリアソンの作品から、視点のシフトのきっかけを探りたい。
展覧会名 | オラファー・エリアソン ときに川は橋となる |
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会期 | 2020年6月9日(火) 〜 9月27日(日) |
休館日 | 月曜日(8月10日、9月21日は開館)、8月11日、9月23日 |
時間 | 10:00〜18:00 ※展示室入場は閉館時間の30分前まで |
会場 | 東京都現代美術館 企画展示室 地下2F 江東区三好4-1-1 |
観覧料 | 一般 1,400円、大学生・専門学校生・65歳以上 1,000円、中高生 500円、小学生以下無料 |
公式サイト | https://www.mot-art-museum.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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