月岡芳年 血と妖艶

浮世絵史上、最も残酷な一枚も登場
血・妖艶・闇を切り口にした妖しい月岡芳年の世界へ

  • 2020/08/03
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幕末から明治時代前半にかけて、血みどろ絵や美人画などで人気を博した浮世絵師・月岡芳年。本展では、「血」「妖艶」「闇」という3つの妖しいキーワードから、その魅力を掘り下げる。

月岡芳年は、残酷な殺戮シーンや死骸を描いた「血みどろ絵(無惨絵)」と通称されるジャンルを手がけた。飛び散る血をセンセーショナルに描いたそのおどろおどろしい表現は、江戸川乱歩や三島由紀夫など、大正・昭和に活躍した文学者たちを惹きつけたことでも知られている。血みどろ絵の代表作《英名二十八衆句》全14点のほか、《東錦浮世稿談》や《魁題百撰相》など、芳年が描いた残酷な作品をまとめて紹介。
 また、浮世絵史上、最も残酷な一枚として知られる《奥州安達がはらひとつ家の図》は、後期に展示予定。この作品は、荒縄で縛られて天井から逆さ吊りにされた妊婦が、念入りに包丁を研ぐ一ツ家の老婆にこれから腹を切り裂かれようとする場面。絵の中には一滴の血も流れていないが、生々しく描かれた妊婦の痛ましい姿によって、大量の血が飛び散る血みどろ絵よりも残酷さを強く感じさせる作品となっている。

そして、妖艶な美女と深い闇の描写にも注目したい。月岡芳年の美人画には、単に外見が美しいだけではなく、どことなく妖しさが漂う女性たちが数多く登場する。また、夜を舞台にした作品には、張り詰めたような緊迫感や、妖怪や幽霊たちの不気味な存在感があふれている。美人画の代表作《風俗三十二相》や、月にまつわる歴史や物語を描いた《月百姿》、あるいは妖怪を題材とした《和漢百物語》や《新形三十六怪撰》など、さまざまな作品を通して芳年の妖しい魅力を紹介する。

展示点数は約150点、前期と後期で全点展示替えが行われる。ダークで妖しい月岡芳年の世界にどっぷり浸かってみては。

※会期終了に伴い画像を削除いたしました

開催概要

展覧会名 月岡芳年 血と妖艶
会期 2020年8月1日(土)〜10月4日(日)
※会期中、展示替えあり
前期:8月1日(土)〜8月30日(日)
後期:9月4日(金)〜10月4日(日)
休館日 月曜日(ただし8月10日、9月21日は開館)、8月11日(火)、9月1日(火)〜3日(木)・23日(水)
時間 10:30〜17:30
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 太田記念美術館
渋谷区神宮前1-10-10
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 800円、高大生 600円、中学生以下無料
公式サイト http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/
問合せ 050-5541-8600(ハローダイヤル)

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