日本美術史上最も豪壮で華麗な「桃山美術」を中心に
激動の100年に生まれた美術を概観
安土桃山時代の30年間に花開いた、日本美術史上最も豪壮で華麗な「桃山美術」。本展では、その桃山美術を中心に、室町時代末から江戸時代初期にかけての激動の100年に生まれた美術を概観し、美術史上「桃山時代」として語られるその美術の特質を、約230件の優品によって展観する。
展示は、室町時代末から江戸時代初期にかけての都の移り変わる姿を描いた《洛中洛外図屛風》をプロローグに幕開け。狩野永徳や長谷川等伯に代表される安土桃山時代の画家たちによる豪壮華麗な障屛画、志野や織部に代表される意匠性優れた桃山茶陶、戦場でひときわ目立つ戦国武将の甲冑、高台寺蒔絵や世界へと視野を広げた南蛮美術など、安土桃山時代を特徴づける美術品の数々によって、天下人が夢を追い求めた黄金の時代の造形を愛でる。
一方、同じテーマで描かれた絵画、貨幣や鏡などを比較しながら見ることで、この100年に美術がどのように変わっていったのかを探る。
そして、禅宗寺院の大画面障壁画、京を描いた洛中図、輸出品として人気を博した金屛風など、桃山文化の萌芽を感じる室町時代の名品から、江戸時代に入り、力を誇示する豪放さから離れ優美で自然な調和を重んじるようになる桃山美術の成熟までを、数々の名品を通して順に味わっていく。
さらに、この時代を語るのに外せない、茶の湯や刀剣・甲冑にも注目する。天下人織田信長、豊臣秀吉の茶頭をつとめた千利休、利休の精神に学んだ古田織部と、天正から慶長年間にいたる時期に注目し、利休と織部ゆかりの名品、そして激動の時代をたくましく生きた人びとの心を映すような力強い造形が魅力の「桃山茶陶」が並ぶ。そして、これまでにない武器や武具が流行したこの時代の、単なる華やかさや奇抜さでは片づけられない、武将たちの「生死をかけた装い」も登場する。
激動の時代に、「日本人」がどう生き、どのように文化が形作られていったのか、約100年間の美術作品を一堂に集め概観することで、日本美術史のなかでも特筆される変革の時代の「心と形」を考える。
展覧会名 | 特別展「桃山―天下人の100年」 |
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会期 | 2020年10月6日(火)〜11月29日(日) ※会期中、展示替えあり 前期展示:10月6日(火)〜11月1日(日) 後期展示:11月3日(火・祝)〜11月29日(日) |
休館日 | 月曜日(ただし11月23日は開館)、11月24日(火) |
時間 | 9:30〜18:00(金・土曜日は21:00まで) |
会場 | 東京国立博物館 平成館 台東区上野公園13-9 >> 会場の紹介記事はこちら |
観覧料 | 一般 2,400円、大学生 1,400円、高校生 1,000円、中学生以下無料 ※事前予約制 ※詳細は公式サイトをご覧ください |
公式サイト | https://www.tnm.jp/ |
問合せ | 03-5777-8600 (ハローダイヤル) |
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