企画展 きらきらでん(螺鈿)

長い歴史の中で育まれてきた、きらきらの螺鈿の魅力

貝の輝く真珠層を文様の形に切り抜き、嵌め込んだり貼り付けたりして装飾する技法、螺鈿。「螺」は巻き貝、「鈿」は貝で装飾するという意味を持つ。その作例と歴史、技術をまとめて紹介する展覧会が開催。

貝を用いる工芸品は世界各地にあるが、アジア圏では、漆工技法にも取り入れられてきた。用いられたのは主に夜光貝や鮑貝で、単なる白ではなく、内から放光するかのような青から赤のグラデーションのきらめきを持つのが特徴だ。その貝と漆独特の美しい艶とが織りなす世界は古来、人々を魅了してきた。
 しかし螺鈿について漠然とイメージすることはできても、作例とその歴史、技術をまとめて知る機会は決して多くない。そこで本展覧会では、根津美術館の所蔵品を中心に、日本における螺鈿の受容と展開を編年的にたどりながら、影響関係にあった中国大陸・朝鮮半島・琉球、そして日本の螺鈿技術を概観する。

奈良時代、唐から高度な技術が入ってきたことに始まった日本の螺鈿の歴史。国内で厚貝技法が発達する中、鎌倉時代に入り、新たに中国大陸からもたらされたのは薄貝螺鈿だった。大量に舶載され続けたもののなぜか技術的影響は少なく、その技法を取り入れたのは主に琉球王国で、日本が大きな影響を受けたのは、近世初頭、朝鮮時代(李朝)の螺鈿である。以降、日本の螺鈿は百花繚乱の様相を呈し、現在に至っている。

桜の樹皮を貼り、その上に螺鈿と蒔絵で表された紫陽花が宝石のように輝く江戸時代の作品《紫陽花蒔絵螺鈿文箱》、見る角度で色鮮やかに光る夜光貝の魅力にあふれた中国・元〜明時代の作品《樹下人物螺鈿硯屏》など、美しく輝く螺鈿の名品を一挙に鑑賞できる、またとない機会となりそうだ。

樹下人物螺鈿硯屏 1基 木胎漆塗 中国・元〜明時代 14〜15世紀 根津美術館蔵
楼閣人物螺鈿卓 1基 木胎漆塗 中国・元時代 14世紀  根津美術館蔵
紫陽花蒔絵螺鈿文箱(部分) 1合 木胎漆塗 日本・江戸時代18世紀 根津美術館蔵
楼閣人物螺鈿箱 1合 木胎漆塗 中国・元時代 13〜14世紀  根津美術館蔵
裂地螺鈿小箪笥 1基 木胎漆塗 日本・江戸時代18〜19世紀 根津美術館蔵 福島静子氏寄贈
開催概要
展覧会名 企画展 きらきらでん(螺鈿)
会期 2021年1月9日(土)〜2月14日(日)
休館日 月曜日(ただし1月11日は開館)、1月12日(火)
時間 10:00〜17:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 根津美術館
港区南青山6-5-1
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入館料 一般 1,300円、学生 1,000円
※日時指定予約制
※詳細はこちらをご覧ください
公式サイト http://www.nezu-muse.or.jp/
問合せ 03-3400-2536
2021年1月12日更新