澤田知子 狐の嫁いり

この「自撮り」、ただ者じゃない。澤田知子、公立美術館初の大規模個展

実質的なデビュー作で写真新世紀特別賞を受賞し、2004年には木村伊兵衛写真賞やNY国際写真センターヤングフォトグラファー賞を受賞するなど、デビューから現在に至るまで、国内外で高い評価を得ている写真家・澤田知子。本展は、澤田の原点となる《Untiled》(1996)から最新作《Reflection》(2020)までの代表作を網羅し、その25年間にわたる旺盛な制作活動を概観する、公立美術館における初の大規模個展となる。

澤田は自身の表現において、“内面と外見の関係”という普遍的なテーマを問い続け、自らの姿や顔を被写体にし、ポートレイトの手法を軸に作品を制作してきた。本展では「セルフィー」や「自撮り」といった行為が一般化する近年において、澤田の表現を通じてセルフポートレイトが人々を惹きつける理由を再検証するとともに、澤田作品の独自性とその魅力に迫る。また、新旧の代表作を新たな視点で編みなおし、展覧会全体をひとつの新作として捉えて構成することで、作家自身が改めて作品の意味を問い直す、意欲的な試みの展覧会といえる。

見どころは、ここ数年の関心である「どうやって人は人を判断するのか」から導き出した最新作《Reflection》の初公開や、デビュー作《ID400》の貴重なオリジナルバージョン出品。本作は、通常400枚のインスタント写真を複写したプリントで展示されるが、本展で公開されるのは、自動証明写真機で撮影・変装を400回繰り返して制作された、世界で唯一のオリジナルバージョンで、2002年に開催されたグループ展での発表以来約20年振りに公開される。また、写真・映像の根本的な問いとして、長い間試行錯誤し生まれた映像作品《影法師》(2018)にも注目したい。

圧倒的な存在感を放つ、澤田の変化自在な姿を目の当たりにして、観賞者と作家間の“見る・見られる”の関係が逆転するかのような、鮮烈な観賞体験が待ちうけているはずだ。

《ID400》 1998年 自動証明写真機で撮影したオリジナルプリント/ゼラチン・シルバー・プリント(100枚組4点/4枚組1点) 東京都写真美術館蔵 、 うち《SKIN HEAD》 4枚組1点は作家蔵
《cover / Face》 2002年 発色現像方式印画(20点組) 作家蔵

《sign》 2012年 発色現像方式印画(56点×2組) 作家蔵
《影法師》 2018年 シングル・チャンネル・ヴィデオ、B&W、サイレント、ループ 東京都写真美術館蔵
開催概要
展覧会名 澤田知子 狐の嫁いり
会期 2021年3月2日(火)〜5月9日(日)
休館日 月曜日(ただし5月3日は開館)
時間 10:00〜18:00
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京都写真美術館 2階展示室
目黒区三田1-13-3 恵比寿ガーデンプレイス内
>> 会場の紹介記事はこちら
入館料 一般 700円、学生 560円、中高生・65歳以上 350円
※小学生以下、都内在住・在学の中学生および障害をお持ちの方とその介護者(2名まで)は無料
公式サイト https://topmuseum.jp/
問合せ 03-3280-0099
2020年3月8日更新