企画展「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと―」

260余年にわたって泰平の世を築いた、徳川将軍家を支えた人々

  • 2022/02/28
  • イベント
  • アート

長き戦乱の世に終止符をうち、慶長8年(1603)に江戸幕府を開いた徳川家康。以降、260余年にわたって泰平の世が続いた江戸時代は、家康を始祖とする徳川将軍家の治世によってもたらされた。この徳川将軍家はどのように築き上げられたのだろうか。将軍家を支えた徳川の人々の活躍を徳川宗家に伝来するゆかりの品々を中心に紹介する。

江戸幕府の将軍は15代続いたが、初代家康の直系は4代家綱で、徳川宗家の血筋は7代家継で絶えている。そのため、御三家のひとつである紀伊家から吉宗が8代将軍として迎えられ、以降は11代家斉が一橋家から、14代家茂が紀伊家から、そして最後の将軍15代慶喜は一橋家からと、御三家・御三卿から将軍職を継承した人々が、将軍家を支えていった。将軍家存続の背景には、こうした「外」から将軍家に入った徳川の人々の存在が大きいといえる。

展示では、徳川幕府草創期から、明治維新を経て公爵家になるまでの徳川一門の栄枯盛衰を追う。
 まずは、徳川家の存続を支える大きな存在として活躍した長男信康から11男頼房まで、政治的・軍事的枢要地を得て徳川を名乗った家康の子どもたちを紹介し、のちの徳川御三家につながる支配体制の広がりを概観。そして正徳6年(1716)、7代家継がわずか8歳で夭折し家康の血統が絶えると、御三家の紀伊家から初めて将軍家を相続し8代吉宗が誕生。以降、連綿と受け継がれていく吉宗の血統は、吉宗の曾孫にあたる11代家斉を経てさらに拡大していくこととなる。さらに、化政文化が花開いた文化・文政(1804〜1830)のころ、御三卿一橋家より迎えられ11代将軍となった家斉は、53人と多くの子女を儲け、実子の大多数を次々に養子や婚姻によって配し、徳川宗家の血統の流れを拡大するとともに、確固たるものへと築き上げていく。
 しかし激動の幕末には、実子に恵まれなかった13代家定、わずか21歳でその生涯を終えた14代家茂などが続き、徳川一門は外から将軍家にはいった人々によって支えられ「家」を存続させていく。そして、政権が徳川幕府から明治新政府へと転じ、15代慶喜が恭順・謹慎を貫くとともに、勝海舟らの尽力により江戸無血開城がなされると、徳川宗家の家名相続が認められ、公爵家として新たな徳川家へと変化を遂げる。

  1. 天海賛 四代木村了琢筆「東照大権現像」 コ川記念財団蔵
  2. 「御系図」コ川記念財団蔵
  3. 松平斉民筆「山水図」コ川記念財団蔵
  4. 「徳川家関係城館図屏風」 東京都江戸東京博物館蔵
  5. 「黒塗牡丹紋散松唐草蒔絵雛道具」 東京都江戸東京博物館蔵
  6. 「非役有位(四位以上)大礼服」コ川記念財団蔵 展示期間:2月1日(火)〜3月6日(日)
  1. 天海賛 四代木村了琢筆 「東照大権現像」 コ川記念財団蔵
  2. 「御系図」 コ川記念財団蔵
  3. 松平斉民筆「山水図」 コ川記念財団蔵
  4. 「徳川家関係城館図屏風」 東京都江戸東京博物館蔵
  5. 「黒塗牡丹紋散松唐草蒔絵雛道具」 東京都江戸東京博物館蔵
  6. 「非役有位(四位以上)大礼服」コ川記念財団蔵 展示期間:2月1日(火)〜3月6日(日)

開催概要

展覧会名 企画展「徳川一門 ―将軍家をささえたひとびと―」
会期 2022年1月2日(日)〜3月6日(日)31日(木)
※会期延長
※会期中、展示替えあり
休館日 月曜日(ただし1月3日・10日、3月21日・28日は開館)、1月11日(火)、3月22日(火)
時間 9:30〜17:30
※土曜日は19:30まで
※入館は閉館時間の30分前まで
会場 東京都江戸東京博物館 常設展示室内 5階企画展示室
墨田区横網1-4-1
観覧料 一般 600円、大学・専門学校生 480円、中学生(都外)・高校生・65歳以上 300円、中学生(都内)・小学生以下無料
※開館記念日のため、3月28日は常設展の観覧料無料
公式サイト https://www.edo-tokyo-museum.or.jp
問合せ 03-3626-9974(代表)

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