シュウゴアーツ(六本木6-5-24 complex665 2F)
ヴェネチアングラスアーティスト三嶋りつ惠(みしまりつえ)の、新作を携えた個展がスタート。
ギャラリーでまず目に入るのは、これまでの“光の彫刻”とは趣の違う空間自体に光を誘ったような作品。ほの暗いライティングの中央に佇む正六角形のフォルムには、側面をぐるりと囲むように2万個以上のヴェネチアングラスのビーズが連なっており、三嶋はこれを「宙から繋がった光のシャワー」と表現している。この作品は中に入ることができるのだが、光のシャワーをかき分けた時のガラスと鈴のシャラシャラと涼やかな音や、一粒一粒の光に見守られているような空気感が何とも心地よい。
この神聖な場所に足を踏み入れる感覚は、まさに参拝するような心持ちに似ており、京都出身の三嶋がそのような日本的感覚を取り入れているのは、六角形の構造や鈴、照明からも感じ取れる。
そしてそこには、透明なガラスと人とが出会い対話する、“光の場”が静かに広がっている。
ギャラリー奥の彫刻群も、興味深い展示構成に。円の広場を囲むように設置された階段状の展示台には、作品と一緒に座ることができ、まるで光と人とがお喋りしているような親近感を覚える。
単なる物質的な美しさを超え、自身の心の中の光や、神聖なものへの希望などまで見出す、三嶋の光への眼差しを存分に堪能したい。
【会期】12月7日(土)〜2020年1月25日(土)
【休廊日】日月祝、12月29日〜1月6日
【時間】11:00〜19:00
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