TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life? ――地球と生きるためのデザイン

TOTOギャラリー・間(南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F・4F)

  • 2022/11/9(水)
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TOTOギャラリー・間 企画展 How is Life? ――地球と生きるためのデザイン

 建築やデザインを介して、私たちを取り巻く気候変動や社会格差などの障壁に風穴を開け、”成長を前提としない繁栄”のあり方を示す古今東西のプロジェクトを紹介する企画展が開催中。

 本展のキュレーターを務めるのは、塚本由晴、千葉学、セン・クアン、田根剛の4氏。会場では、「How is Life?」という彼らの問いに答えるべく、多彩な事例が紹介されている。
 3FのGALLERY1では、フランスの展覧会「Capital Agricole(キャピタル・アグリコール)」(2018年)で発表された色鮮やかなドローイング作品を通じて、農業と共存するパリと周辺都市の未来像が提示されている。日本では、千葉県での里山再生の活動を描いたドローイングや、長野県での民家が解体される現場よりレスキュー(救出)した古材・古道具を再利用し、現代の暮らしにフィットするように生まれ変わる過程などが展示。
 4FのGALLERY2では、自転車から世界を眺め、既存の都市を診断し、その処方を提案する丁寧な模型が展示されている。あわせて、サイクリストが街で見つけた「障害物」を投稿すると市の議論を経て改善されるというスイス・チューリッヒのアプリを通じた取組みなども紹介。また、地元出身の文豪を慕う人びとの熱意に建築家が呼応して建築された「藤村記念堂」(設計:谷口吉郎)の事例なども展観されている。

 展覧会を担当する片桐真理子氏(写真)は、「これらの取り組みは必ずしも私たちの社会に利便性や成長をもたらすものではありせん。しかしながら、これまで経済生産性を追求してきた私たちが知る都市や建築とは異なるこれらの事例が、未来の地球とともに生きていくための新たな視点を切り開いてくれる可能性を感じさせます。「How is Life?」という問いかけをテーマにした本展により、一人ひとりが当事者として足元の暮らしを見直すきっかけにつながれば」と解説に添える。

 本展では、それぞれの展示に短冊型のハンドアウトが付いており、廃棄予定の紙を利用した表紙から好きな色を選んで製本できるように工夫されている。さらに、夜間にも開催されるギャラリーツアーでも分かりやすく解説してくれる。会期中には、3F中庭で茅葺や石積みのワークショップなども開催予定だ。

【会期】10月21日(金)〜2023年3月19日(日)
【休館日】月曜・祝日・年末年始休暇[12月26日(月)〜2023年1月9日(月)]※2023年2月11日(土・祝)は開館
【時間】11:00〜18:00 ※入場無料、事前予約制

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