六本木ヒルズ A/Dギャラリー
岐阜県土岐市を拠点に「今までに誰もが見たことのない、美しくてカッコいい器を作りたい」という想いで制作を続ける青木良太の個展が開催中。
「陶芸で日本代表になる」と、アトリエの壁に日の丸の旗を掲げる青木は、年間15,000種類の釉薬の研究を通じて金銀、プラチナ等、陶芸では通常扱うことのない素材を使用し、これまでにない作品を生み出し続けている。
仕上がりが読めない陶芸の世界において、不可能とされてきたワイングラスの世界初の完成や、コストや技術面で困難とされる、真紅の釉薬「RED」の開発を成功させるなど、作陶におけるあらゆる「不可能を可能に」してきた。
本展の会場入り口にあるウィンドウでも、一段と存在感を放つスワロフスキーを使用した作品がずらりと並び、圧巻だ。
「スワロフスキーを用いて作陶できるのは私だけです。これまでの展覧会でもスワロフスキーの作品は展示してきましたが、これだけ揃うのは今回が初となります。」
下地に18金を焼き付けた後、一粒一粒特殊な釉薬をつけて張り付け、世界に一つしかない特殊な窯で焼き上げて完成した器は、40sの力で引っ張ってもスワロフスキーが取れないという。まさに実用できる美術品だ。
逸品のほか、会場では電子レンジや食洗機の使用が可能な、日常で使いやすい器も揃っている。粘土に釉薬をまぜて練りこみ焼くことで、赤ちゃんの頬のように滑らかな肌触りになる器や、18金を使わずに金の輝きを出したシリーズなど、美しさと実用性を兼ね備えた作品と出会うことができる。
「数百年、数千年後に『いいね』と言ってもらえるような器を作りたい。また、『陶芸ってかっこいい!』と思ってもらえるようにありたい。それが私を育ててくれた陶芸にできる恩返しだと思っています。」と、千年先を見据え熱く語る「陶芸家 青木良太の現在」を見に、会場へ足を運んでみてはいかがだろうか。
【会期】7月26日(金)〜8月12日(月)※会期中無休
【時間】12:00〜20:00
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