新しい建築の当事者たち

TOTOギャラリー・間(南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F)

  • 2025/7/23(水)
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新しい建築の当事者たち

 「TOTOギャラリー・間(ま)」の開設40周年記念企画の第二弾として、「EXPO 2025 大阪・関西万博」のトイレや休憩所などの設計業務の公募型プロポーザルにて選ばれた、1980年以降生まれの20組の建築家たちによるグループ展が開催中。
 プロポーザルの審査員を務めた平田晃久、藤本壮介、吉村靖孝の3氏のうち、本展の監修を平田氏が、アドバイザーは藤本氏が務めており、20組の建築家たちの施設実現への取り組みを通して、今日の複雑な社会状況に主体的に関わり応えようとする新しい建築の当事者像を提案する。

 本展企画のきっかけは、「EXPO 2025 大阪・関西万博」の会場プロデューサーを務める藤本氏より、『20組の若手の挑戦はとてもスペシャルなものであり、これを次世代に伝えたい』と、打診を受けたことだという。
 「TOTOギャラリー・間」の代表・筏(いかだ)久美子氏は、「20組の方々が手がけている施設は、会場の中で誰もが使える公共建築であり、それを実現する上でバリアフリーやジェンダーの問題、サステナビリティなど、現代だからこそ見えてきた課題にどう取り組むかということが問われています。それを機能でこたえるだけではなく、建築としてクリエイティビティを発揮することも同時に試されるプロジェクトです。そこで本展では、『万博で、このようなものをつくりました』ということよりも、彼らがどのように考え、挑戦したのかという万博以前、そして万博以後を見てほしいと考え、本展を開催しました」と語った。

 本展では、外部のキュレーションを入れず、実行委員制度を取り入れている。対話を通してこの展覧会をつくるため、4人の実行委員が20組を3〜4つのグループに分けて、福岡や京都など各地の事務所を周りながら対話を重ね、本展の開催まで漕ぎつけたのだ。

 GALLERY 1(3階)では、20組の建築家たちそれぞれが「EXPO 2025 大阪・関西万博」のために生み出したコンセプトや実践の過程を表す展示品が並んでいる。
建築家や建築作品ごとにまとめるのではなく、20組のあいだで対話を重ねて出てきた7つのキーワードを軸に、それぞれのアイデアやコンセプトを立体的に配置して、全体像を見ることができる。

 GALLERY 2(4階)は、20組の建築家たちが手がけた、「EXPO 2025 大阪・関西万博」の建築のアーカイブ資料が展示されているほか、大きなテーブルが設けられていて、展覧会会期中のディスカッションの場にもなっている。
ここに模型を運び、話し合う中で新しい言葉が見つかったり、新しい発見があったりすると、3階の展示にフィードバックするというライブ感のある展示会場となっているのだ。
 また、二つのギャラリーをつなぐ中庭では、建築を設計する中で生まれてきたモックアップやサンプル、実験の痕跡などの見ごたえのある大型展示を見ることができる。

 展示のユニークさや、若き建築家たちの多様なアプローチと熱量を目の当たりにして、各国のパビリオンだけではなく、本展で紹介されているパブリックな施設を観ることを目的としても、万博会場に足を運んでみたいと思った。

 また、本展会期中には、さまざまなイベントも開催される。
プレゼンテーションイベント「新しい建築の当事者たち」は、本展の軸となる『7つのキーワード』から各回1つずつがテーマとなるので、展覧会開始後にさらに発展した『対話』を聴くことができるだろうと期待が高まる。
その他、ファミリーイベント(小学生と保護者向け/事前申込制)なども予定されているので、TOTOギャラリー・間ウェブサイトにて確認しよう。

【会期】7月24日(木)〜10月19日(日)
【休館日】月曜・祝日・夏季休暇[8月11日(月)〜8月18日(月)] ※TOTOギャラリー・間ウェブサイトにて最新情報をご確認ください
【時間】11:00〜18:00 ※入場無料
【写真】左より、本展アドバイザーの藤本壮介氏、監修者の平田晃久氏、会場構成の佐々木慧氏、実行委員の桐圭佑氏、小俣裕亮氏、グラフィック計画の村部塁氏、実行委員の國清尚之氏、工藤浩平氏

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