食とくらしの小さな博物館(高輪)
日本10大発明の一つに数えられる「味の素」。今や世界中で知られる調味料は、“うま味”の主成分が「グルタミン酸」であることを池田菊苗博士により発見されたことに始まる――。約100年前に遡る「味の素」誕生から現代に至る食の歴史を、時代ごとの「味の素」商品や食卓風景を通じて体感できるミュージアム。
入り口のビジョンでは、「味の素」誕生にまつわるストーリーを放映。「化粧品と間違えて使用した」など開発当初の印象的なエピソードがテンポよくまとめられている。展示室内へ足を踏み入れると、歴代「味の素」が迎えてくれる。とりわけ目をひくのは「具留多味酸」のラベルが貼られた古めかしいボトル。なんと中に残るのは、博士が抽出に成功したグルタミン酸の現物だという。約25年のスパンで区切られた4つの展示スペースには、「味の素」ブランドの商品と共に当時流行ったおもちゃやグッズも並ぶ。
商品展示の向かいに、戦前・昭和中期・昭和後期・平成と各時代を象徴した食卓風景が現れる。研究者の監修に基づき作りこまれた食卓には、さっきまで家族が食事をしていたかのようなリアルさが漂う。とりわけ、25年ほどでちゃぶ台暮らしから一転、洋風のダイニングセットへと移り変わる様は圧巻。高度成長期のすさまじい変容ぶりが浮き出たシーンとなっている。展示室後半のアミノ酸を知るコーナーでは、専用パソコンで健康情報やアミノ酸クイズなどを楽しめる。
常設展のほか、同じフロアにある(公財)味の素 食の文化センター運営の食文化展示室もチェックしたい。食をテーマに描いた錦絵、絵に登場する花見弁当のレプリカなど、江戸の食文化を今に伝える展示は必見。ふらりと訪ねやすい「小さな博物館」だが、日本の100年を一気に旅するようなダイナミックさが味わえるスポットだ。
名称 | 食とくらしの小さな博物館 |
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所在地 | 港区高輪3-13-65 |
電話番号 | 博物館 03-5488-7305 図書館 03-5488-7319 |
料金(税込) | 入場無料 |
営業時間 | 10:00〜17:00 |
休館日 | 日曜・祝日・年末年始 |
アクセス | 都営浅草線「高輪台駅」徒歩3分 |
公式サイト | 食とくらしの小さな博物館 https://www.ajinomoto.co.jp/kfb/museum/ 味の素 食の文化センター/食の専門図書館 https://www.syokubunka.or.jp/ |
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