港区界隈の個性派 博物館
翡翠原石館
翡翠原石が生み出す静謐な世界に浸る 翡翠原石館

縄文時代から勾玉として珍重され、元祖パワーアイテムとも呼べそうな翡翠。その原石を常時100個以上展示している個性的な博物館が北品川にある翡翠原石館だ。
 館長の鶴見信行氏は自動車部品製造会社を経営する傍ら、約30年かけて翡翠を収集。世界有数の産地である新潟県糸魚川の翡翠を後世に残すべく、2004年に博物館をオープンさせた。

2階建ての展示フロアは巨大原石、翡翠風呂、モザイク画、ショップ、加工品といくつかのゾーンに分かれている。
 入るとまず目に飛び込むモザイク画は高さが5mもあり、2Fまで届く大作。『古事記』に登場する古代の新潟地方を治めていた女王「奴奈川姫」と、翡翠と同じ字を用いるカワセミが描かれている。翡翠や大理石などを加工した10万個以上のモザイクを使って6年かけて作り上げた。慈愛に満ちたまなざしが印象的だ。

右側には4tもの巨大な原石を配した中庭。窓越しに庭の木々が見え、外から通された水路には魚だけでなく、糸魚川の翡翠峡から来たカジカガエルやモリアオガエルも住む。透き通った鳴き声と白い原石が生み出す空間は、心を和ませる癒しの世界だ。
 奥は原石の展示ゾーン。壁には翡翠の成り立ちや化学式、産出地域などを説明したパネルが並ぶ。翡翠は高圧ながら低温の地質でないと生まれない鉱物で、ダイヤよりも産出しないと知って驚く。
 最奥の部屋はなんと壁も床も浴槽もすべて翡翠製の浴室。10tの糸魚川産原石をくり貫いて造ったという。なぜお風呂?との問いに、「翡翠の器に入れた冷酒が非常にまろやかになることから、その水に包まれたらどうなるか知りたくなったんです。実際に入ったら宇宙空間にいるような浮遊感がありました」と鶴見館長。今でも年に1回程度は実際に湯をはるという。

2階はサロンになっており、来館者にスリランカ紅茶をサービス中。壁際にミャンマーや糸魚川の原石、世界各地の仏像などが陳列されているので、じっくり鑑賞も良し、館長に勾玉作りのコツを聞くもよし。中には、自前のコレクションを持ち込み、鑑定を依頼する人もいるとか。贋作だけでなく軟玉ネフライトと間違える人も多いからかもしれない。

翡翠の原石は全部違っていて、形、色、風合いのどこにポイントを置くかは人それぞれ。評価基準が明確なダイヤモンドやルビーのような単結晶鉱物と違い、そこが翡翠ならではの魅力といえるだろう。まさに“皆違って皆いい”。原石の静かな、でも見紛うことなきパワーに満ちた静謐な空間。あなたも癒されに来ませんか?

    翡翠原石館(北品川)
  • 品川区北品川4-5-12 [MAP]
  • 03-6408-0313
  • 料金(税込)
    大人700円(スリランカ紅茶付き)
    小人350円
  • 10:00〜17:00
  • 休館日
    月曜(祝日の場合は翌火曜)、
    祝日の翌日、お盆、年末年始
  • 京浜急行線「北品川駅」徒歩5分
    JR「品川駅」徒歩15分
  • webサイト
翡翠原石館 玄関前の桜
新潟県糸魚川から運ばれた巨大原石
カジカガエル
モザイク壁画「奴奈川姫」
壁画のモザイク見本
翡翠風呂
勾玉(館長作)
ショップ
館内

2012年6月取材/2014年4月更新