港区界隈の個性派 博物館
消防博物館
楽しみながら火の用心! ヘリにも乗れる防火・防災の学舎 消防博物館

四谷消防署に併設して、1992年に開館した「東京消防庁防災資料センター 消防博物館」。子連れ家族や年配者を中心に多い時で約1,000人が訪れる人気スポット。

10F建てのビルの、B1、1、3〜7、10Fが博物館。見学は5Fから順に下がるのがオススメだ。

5Fは江戸時代。武家の火消、町火消に分かれて装束、道具、古文書、錦絵などが展示されている。戦乱のない江戸時代は、火事場での活躍が出世の近道とされたこと、装束は比較的燃えにくいラシャ布で作られたことなど豆知識も随所に。手押しポンプの龍吐水(りゅうどすい)、玩具を巨大化させたような水鉄砲と、人力の消火道具に当時の苦労が偲ばれる。圧巻は、いろは48組、本所深川16組すべてのまとい1/2サイズ模型。町火消は定職ではなく、普段は鳶職など自分の仕事を持ち、火事の時だけ番所に集まっていたのだとか。

4Fは明治から昭和にかけての近代化にフォーカス。明治になると、延焼を防ぐために周辺を壊すだけの破壊消火から、欧米に倣い水をかけて消す方法へ移り、輸入蒸気ポンプが登場。手引きや馬引きながらも機器が現れると一気に発展した感じがしてしまう。はしご車もはしご部分が木製だったのが、金属製に代わり、さらに長くなっていくのが、明治、大正、昭和初期の消火風景の模型によって説明されていて分かりやすい。ラッパだった通報手段も、街頭の火災報知発信機からの受信で火災を把握できるようになるなど、少しずつ現代に近づいていく様は、子どもが大人になるようなイメージだ。また、戦時中に使われた火元に投げつけて消火する手榴弾消火器などもじっくり見入ってしまう。

現代の消防設備が集まる3F。制服が着られる記念撮影スポットは幼児に大人気。ポンプ隊、特別消火中隊、特別救助隊、救急隊の4種類がそろう。隣には、事故車のドアの隙間を開く際などに使う油圧式スプレッダー、建材などを切断するエンジンカッターなど機器が展示され、レスキューの生々しさもさり気なく。消防ヘリ「ちどり」の機体部分も設置してあり、コックピット体験はここでも可能だ。
 地下は大正から平成までの消防自動車がズラリ。関東大震災の経験から輸入されたアーレンス‐フォックス消防ポンプ自動車やスタッツ消防ポンプ自動車は、まさにクラシックカーといった趣。木製のはしご車なども見ごたえがある。

消防の出場の仕組みや最新器具などの知識をここで学び、具体的な防災体験を行う各地の防災館で実践力を養うのもアリ。首都直下地震も予測されるこの頃、楽しみながら身を守る術を学んでみては?

    消防博物館(四谷三丁目)
  • 新宿区四谷3-10 [MAP]
  • 03-3353-9119
  • 入館無料
  • 9:30〜17:00(最終入館は閉館30分前まで)
  • 休館日
    月曜(祝日、1/17、9/1、10/1は開館)、12/28〜1/4
  • 丸ノ内線「四谷三丁目駅」直結
  • webサイト
江戸消火ジオラマ
消防ヘリ3号機「初代かもめ」
消防ヘリ「初代かもめ」の内部
馬引き蒸気ポンプ
模型と映像のアニメーション
最新消防装備の展示、ノズル一覧
スタッツ&マキシムポンプ車
アーレンス‐フォックス
展望休憩室全景

2015年12月取材/2016年1月更新