季節を感じる花暮らし

ハーブを生活に取り入れてみよう

育て方寄せ植え
ハーブを生活に取り入れてみよう

春になりいろいろな品種のハーブを園芸店で見かける時期になりました。例えば、耳馴染みのあるミントでも、リンゴの香りのアップルミントや、葉が白く彩られたパイナップルミント、そして香りの強いペパーミントなど、普段の生活ではなかなか出会えない種類が多く目につくようになります。また、肉料理に相性の良いオレガノやローズマリー、魚料理やマリネに大活躍のフェンネルやディルなど、自分で育てたほうが香りが断然良いというのもハーブの魅力の一つです。今回は、使えるハーブを幾つかご紹介しますので、上手に育てて暮らしの景色を豊かに楽しんではいかがでしょうか。

まずは、肉料理に良く合うローズマリー。これは上に伸びていく「立性」と横に張っていく「ほふく性」の2タイプがありますので、育てる場所や容器によって形状を見極めて植えることをおすすめします。ローズマリーは肉の臭み消しに大活躍しますし、ポテトや人参などの根菜類をソテーするときの香り付けにも最適です。また、車の酔い止めとしての効果もあり、車内のエアコン吹き出し口に一枝乗せておくと良いでしょう。消臭作用もあるので、嫌な臭いを解消してくれます。

次におすすめするのが、意外にもラベンダーです。こちらは観賞価値が高いので、草花感覚で植えている方が多いのですが、実はホットミルクやクリームソースなどと相性抜群。ハーブティーで蒸らすように、温めたミルクにラベンダーの枝を入れて蒸らし香りを移すだけのシンプルな一手間が、ミルクティーやパンプキンスープの仕上がりをワンランクアップさせます。また、収斂(しゅうれん)作用があるので、ラベンダーの葉をちぎった水で肌をパッティングすれば、日焼けによる火照りを鎮めてくれます。
ラベンダーは品種が多いので選ぶのに迷ってしまいますが、関東から北の地域にお住まいであれば、おすすめは一番香りの良い「イングリッシュラベンダー」です。夏の高温多湿に弱いのが難点ですが、最近では「アロマティコ」や「富良野ラベンダー」という高温多湿の関東から南の地域でも栽培可能な品種も登場しています。さらに暑さに強く、花色も楽しめるのがストエカス系のラベンダーで、うさぎの耳のような形状の花穂が特徴です。他にも、草姿が乱れにくい「ラベンダーデンタータ」など、環境に応じて選べる品種が増えたので、好みと用途によって使いこなしてはいかがでしょうか。

自分で育てることで、エッセンシャルオイルやドライハーブにもない、フレッシュな香りと可愛らしい草姿など、その魅力にたくさん気づくことができます。暮らしのスパイスになるハーブを、この季節にぜひ育ててみましょう。

杉井志織
講師:杉井 志織(すぎい しおり) 建築を学んだ後、園芸の世界へ。都市の緑に人と園芸を取り入れたランドスケープガーデニングや庭の管理、企画、運営なども行う。また新しい感覚を持ったガーデナーとして定評がある。流通センター駅前・お台場海浜公園などの花壇ボランティア運営の指導や花壇管理を行うほか、全国花き品評会鉢物部門 シクラメン部門審査員、ジャパンフラワーセレクション選考審査員、NHK番組「趣味の園芸」にも出演。著書に『はじめてのコンテナガーデン101』ほか多数。