創業は寛永元年（1624年）。ポルトガル伝来の南蛮菓子を“カステラ”へと育て上げた老舗が売り出す「フクサヤキューブ」は、従来のイメージを覆すキュートな装いが目印だ。

重厚な姿や価格から、“改まった席での贈答品”という感が強い“カステラ”。「もっと気軽に手に取れるように」と量や外装を検討し、手のひらサイズのカラフルなBOXに1人前のカステラとフォークをつめた。かわいいパッケージも、開封後はお皿代わりになるスグレモノだ。どこででも食べられる手軽さとサイズ感がうけ、口コミでその存在が広まった。

中身のカステラは、卵の手割りに始まり、生地の攪拌（かくはん）から焼き上げまで全て職人の手作業という、何とも手間のかかる製法で作られたもの。ミニサイズながら、濃厚な卵の風味とシャリっと歯ざわりのよい双目糖(ざらめとう)の食感には風格がただよう。当初は一部地域での限定販売だったが、反響の多さから都内でも取り扱いを開始。赤坂店では毎日数量限定で販売されている。午前中には完売（！）という人気ぶりだけに、電話での予約が確実とか。

1. 組み立て式のプラスチック製フォーク入り。強度も十分にあるので、切り分けもスムーズ
2. スタイリッシュな専用ギフトBOX。伝統の味はそのままに、現代風に可愛らしくアレンジされているのがフクサヤキューブ最大の魅力
3. ゆったりと贈り物選びができる落ち着いた佇まいの店内。カステラ生地にココア、くるみ、レーズンを加え焼き上げた「オランダケーキ」や餡を好みの量だけつめて頂く「手作り最中」も隠れた名物だ