線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸

菊池寛実記念 智美術館(虎ノ門4-1-35)

  • 2018/5/9(水)
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線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸

 大正から現代までの竹工芸の流れを、二つの革新的な家系の作家7人の立体造形から紐解く企画展。

 東京を拠点に活躍した飯塚琅玕齋(いいづかろうかんさい)と、その兄・息子からなる飯塚家は、竹の節や太さの違いで詩的な趣を演出するなど、当初より芸術としての竹工芸を追い求め、職人の枠を超えた多彩な表現が見どころだ。

 一方、大阪を拠点に活躍した初代田辺竹雲斎(たなべちくうんさい)を筆頭に、二代、三代、四代と続く田辺家は、初代の精緻な唐物風の制作から、四代の最新のインスタレーションまで、竹雲斎らしさを守りつつも時代とともにアップデートされる技術の粋が堪能できる。

 今回の見どころは何と言っても、智美術館のシンボルである螺旋階段に制作された、四代田辺竹雲斎による7mのインスタレーションだろう。三本の中空の柱が絡まりながら上昇し、一つになって天井に広がる様は、この空間ならではの一体感と躍動感が見事に表現されている。しなやかで軽く、強靭な竹だからこそ叶う、重力から解放されたインスタレーションは一見の価値ありだ(インスタレーションのみ撮影可)。

会期は7月16日(月・祝)まで(6月6日以降展示替え有り)。月曜、5月1日、6月5日休(7月16日は開館)。時間は11:00〜18:00。

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