津田道子個展「トリローグ」

TARO NASU(六本木6-6-9 ピラミデ4F)

  • 2020/7/17(金)
  • イベント
  • フォトニュース
津田道子個展「トリローグ」

 「六本木クロッシング2019展:つないでみる」での出展も記憶に新しい、映像・インスタレーション作家、津田道子の新作を携えた個展が開催中。

 津田は、映像の特性にもとづいた演出空間の中で、“見る”というシンプルな行為について問いかけ“当たり前”を疑う姿勢を提案する作家だ。
 展示空間は、枠・映像・鏡・テキストピースで構成され、その間を歩きながら鑑賞するスタイル。目の前のスクリーンに急に自身の後ろ姿が映ったり、窓のない方角から太陽の光を感じたり、別の鑑賞者の姿が不意に目の端を横切ったりと、視線と思考の迷路に迷い込んだような感覚を体験することができる。「ギャラリー自体の迷路のような造りと、特徴的な窓を作品に取り込みました。どこから見られているのか分からないというような感覚は、現代社会の構造と似ているところがあると思っています」と津田は本展の特徴を語る。
 また、入口からすぐの場所に設置された新作「トリローグ」では、ある角度からは、30秒前の映像が今の自身の姿とオーバーラップして投影されたり、逆に、どこを見渡しても自身が映らない角度が出現したりと、トリローグ(三者対話)の意味を考えさせられる仕掛けが。

 常に揺らぎ変化し続ける不可視の存在とどう対峙し、そこから何を見出すのか、まさに今の不安定な世の中への向き合い方を示唆するような展示だ。

【会期】7月10日(金)〜8月8日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜17:00

記事を探す

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。