六本木ヒルズ 毛利庭園に設置されているパブリックアート「Kin no Kokoro」でも知られる、フランス人アーティスト、ジャン＝ミシェル・オトニエルの新作個展がペロタン東京で9月16日よりスタートする。

 2012年に原美術館にて開催された回顧展以来初となる日本での個展で、菊の花や日本の古典文化における菊の象徴的意味にインスピレーションを得たガラスの立体作品などが初公開される。
 メインスペースに設置された段差のついたいくつかの台座の上には、作家が幾度となく訪問した「文京菊まつり」で見つけた圧倒的な菊の造形美を想起させる、優雅な彫刻作品が。美しいグラデーションの鏡面ガラスの粒が有機的かつ曖昧に連なる様は、日本文化における“結び”の伝統美も参考にしているのだとか。日本で生活していると、菊にはどうしてもさまざまなイメージが付与されるが、純粋な眼差しを通したKikuの魅惑的な存在感に、改めて驚かされる。
 そして、奥のスペースには、白金箔の層の上に黒インクで抽象的なイメージを描いた作品が。まるで屏風に描かれたカリグラフィのような、静謐で無限の奥行きを感じる仕上がりに、心が静まっていく感覚を覚える。
 ガラス張りのギャラリーの外に周り、正面から全体像をとらえる鑑賞方法もオススメだ。

【会期】9月16日（水）〜10月24日（土）
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜18:00
※日時指定予約制