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貴重なインタビュー映像も公開。中園孔二個展「すべての面がこっちを向いている」

貴重なインタビュー映像も公開。中園孔二個展「すべての面がこっちを向いている」

ANB Tokyo(六本木5-2-4)

2021/4/21(水)  2015年に、わずか25歳の若さで亡くなったアーティスト中園孔二(なかぞのこうじ)の個展がANB Tokyoでスタートした。

 高校2年生の時に突如絵の道に進むことを志し、東京藝術大学に進学、在学中から有名ギャラリストにその才能を見出されるなど、早々に頭角を現した中園は、2015年に夭逝するまで、絵画を中心に彫刻、インスタレーションも含め700点以上にわたる作品を制作した多作の作家だ。

 会場は3・4階の2フロアを使い、3階では個人蔵の作品や自宅やスタジオに保管されていた作品などを展示し、4階では、ドローイングブックと、貴重なインタビュー映像を公開。
 同一人物がわずか数年の間に描き上げたとは思えない、あまりにも多彩な技法・メディウム・構図・雰囲気の作品群は、どれも異様なほど引力があり、取材時に話を伺った中園の両親の「手前みそですけど、いつ見ても新しい発見があって飽きないんですよ」との言葉に、大いに納得した。
 また、ギャラリーの関係者や両親も今展で初めてその存在を知ったというインタビュー映像には、少しはにかみながら丁寧に言葉を選ぶ中園の姿が映されており、本人の生の声が聞けない今となっては、彼の作品のエッセンスを知る上で、非常に貴重な1本となっている。絵を描くこと自体は大切ではなく、それを積み重ねることで中心にある何かを探していること、気持ちが落ち着いている時の方が暗い絵をよく描いていることなど、映像を見た後に改めて作品を鑑賞すると、また違った受け取り方ができて面白い。

 作家の気配をふと感じるような、ギャラリーならではの程よい親密さが魅力の個展だ。

【会期】4月24日(土)〜5月23日(日)
【休館日】月・火曜
【時間】12:00〜18:00(金・土曜は20:00まで)
※事前予約制