“真面目な変人”ベルギー人アーティスト、ジェフ・ゲイスの日本初個展

TARO NASU(六本木6-6-9 ピラミデ4F)

  • 2021/6/2(水)
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“真面目な変人”ベルギー人アーティスト、ジェフ・ゲイスの日本初個展

 ベルギー出身のアーティストであるジェフ・ゲイスの、日本初となる個展がTARO NASUで開催中。

 日本では彼のことを知る人は少ないが、2009年に開催された第53回ヴェネチアビエンナーレではベルギー館の代表として展示するなど、ヨーロッパでは名の通ったアーティストだ。“真面目な変人”とギャラリー担当者が形容するその人物像は、アントワープの美術館「KMSKA」で自身の個展が開催された際、展示の一環として当美術館を爆破するプロジェクトを、同国の文部大臣宛に書簡で提案したという逸話からも想像できる。また、アーティストとしての活動の傍ら、教育者としてもその特異な個性を輝かせた。

 本展では、Black PaintingとWork Listという2つのシリーズの作品群を展示。Black Paintingは、既存の油彩画の一部分のみを残して黒く塗りつぶされた作品で、ゲイスは原画となる油彩画を、安価な絵画を大量販売する工房から購入して制作に臨んだという。実物を見ると、黒く塗りつぶされている面に浮かび上がる油絵の具の凹凸で、ある程度全体像が想像できる一方、特定の部分を意図的に選んで残した“のぞき穴”のような制作手法が、人間の見るいう行為の恣意性を露呈させ、美術の現場に交錯する眼差しの本質を問いかけてくる。

 独特の誠実さをもって、既成概念にとらわれない世界認識のあり方を模索したジェフ・ゲイスの、表現の面白さに触れられる良い機会だ。

【会期】5月29日(土)〜6月26日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜17:00 ※土曜のみ予約制

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