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豊潤なストロークに引き込まれる。黒田アキ個展「沈黙の先をいく」

豊潤なストロークに引き込まれる。黒田アキ個展「沈黙の先をいく」

ANB Tokyo(六本木5-2-4)

2021/6/10(木)  パリを拠点に活動するアーティスト・黒田アキ(くろだあき)の個展がANB Tokyoで6月12日よりスタートする。

 黒田は、1970年に渡仏後、78年にはミロやジャコメッティなどを扱う世界的に有名なマーグ・ギャラリーと専属契約を結び、日本では1993年に東京国立近代美術館において当時最年少で個展を開催するなど、国内外でキャリアを積んだ実力派だ。
 本展のタイトル「沈黙の先をいく」は、1980年にパリで開かれた黒田の個展に、小説家映画監督マルグリット・デュラスがおくったエッセイの一節で、半世紀前の言葉ながらも、先の見えない今日にも響くものがあるとして採用された。

 展示は2フロアに別れており、モノクローム作品が中心の3階と、カラフルな作品が目を引く4階で、相互に引き立てあうアンサンブルのような構成だ。
 どの作品にも共通するのは、ストロークの豊かさ。時に荒々しく、時にじっくりと描かれるその筆致を目で追ううちに、作品の中で展開するいくつもの“宇宙”空間で浮遊しているような感覚になってくる。また、驚いたのは、70代半ばという年齢でありながら、近作であるほど非常に若々しくスタイリッシュな雰囲気を纏っていることだ。制作風景の映像からも、内に秘めた瑞々しい感性が、静かに湧き上がっているのが伝わってくる。

 展示では他にも、絵画という表現媒体の枠を超え、舞台美術や美術誌も手掛けた黒田の多岐にわたる活動も併せて展観できる。

【会期】6月12日(土)〜6月27日(日)
【休館日】月・火曜
【時間】12:00〜18:00
※事前予約制