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ANA機内誌 『翼の王国』を彩った連載「稀書探訪」の世界が立体的に広がる展示

ANA機内誌 『翼の王国』を彩った連載「稀書探訪」の世界が立体的に広がる展示

日比谷図書文化館(千代田区日比谷公園1-4)

2022/5/19(木)  仏文学者・鹿島茂氏が2007年から2019年までの12年間、144回にわたりANAの機内誌 『翼の王国』で連載した「稀書探訪」。その中で紹介したフランスの希少な書籍や資料など、生涯をかけて収集してきたコレクションの精髄を一堂に公開する特別展が、日比谷図書文化館で開催されている。

 1階にある展示室に一歩足を踏み入れると、古書ならではの優しいセピア色の用紙に描かれた緻密な線と、落ち着いたトーンながらカラフルな色彩の世界が心地よく広がる。それらに描かれた19世紀パリのファッションや建築、景観、広告や絵本など、当時最先端モードの世界を眺めていると、ふと、タイムマシンに乗ってこっそり入り込んだような不思議な感覚にもなる。

 キャプションの中には鹿島氏ならではの軽妙な語り口で綴られた収集の喜怒哀楽エピソードが表記されているのも見どころ。とある版画絵のアルバムには、高値が予想されていたオークションに無謀にも参加し、30万フラン弱(約800万円)で落札に成功したが、そのとたんに「フランス国立図書館」が名乗りをあげ「横取り」された話などが記されている。そのとき「横取り」を逃れたもう一つのアルバムが今回展示されているのも興味深い。

 また、2・3階の図書フロアでは関連展示として「稀書探訪」が掲載されたバックナンバーなどを見ることができる「機内誌」をテーマにしたコーナーも特設されている。
 あわせて、鹿島氏の著書や関連するアール・デコ、古洋書関係の書籍を紹介する特設コーナーが充実しているのも、図書館の中にある展示ならではの魅力。1つの展示から様々な興味、関心の世界が広がる。

 まさに「稀書探訪」のページを飛び出して、19世紀フランスの希少古書の世界が展示スペースに踊りだすように広がる空間。
 遠い国への旅行が難しい今、コレクションを眺めながら、ひと時の旅気分を味わってみては。

【会期】5月20日(金)〜7月17日(日)
 ※前後期一部展示替えあり
 前期 5月20日(金)〜6月19日(日) 後期 6月21日(火)〜7月17日(日)
【休館日】6月20日(月)
【時間】10:00〜19:00(金曜は20:00まで、日祝は17:00まで) ※入室は閉室30分前まで
 ※入館時に、マスク着用、手指消毒、検温。