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日本人の「心の風景」がここにある 「歌枕 あなたの知らない心の風景」プレス説明会・内覧会

日本人の「心の風景」がここにある 「歌枕 あなたの知らない心の風景」プレス説明会・内覧会

サントリー美術館

2022/6/28(火)  「歌枕」とは、古来、和歌に詠み継がれてきた日本の名所を表すもの。かつては、歌枕のイメージ世界を表現することはさまざまな分野での約束事にもなっていた。和歌が身近な存在でなくなり、歌枕に共感を寄せることが難しい現代。多様な美術作品をとおして再び歌枕を共有することを試みる展覧会が開催される。

 一般公開に先立ち開催されたプレス説明会では、本展を企画した柴橋大典学芸員より、歌枕とは何か、旅と歌枕の関係性や歌枕がかつての暮らしに息づいていた様子などについて分かりやすく解説された。
 柴橋氏によると、歌枕とは土地の特徴となる景物やその土地の名前から連想されるイメージ。一説では歌枕は2,000語ほど存在するが、なかでも、桜が表す「吉野」、紅葉が表す「龍田」、月と薄(すすき)が表す「武蔵野」などが最もポピュラーで、第1章では、主な歌枕の世界を大画面の屛風絵によって体感できるとのこと。
 また、「どうしたら現代の私たちは歌枕に親しみがもてるのか」との参加者からの質問に、柴橋氏は、「かつて家具や陶磁器、茶道具といった調度品から身にまとう染織品に至るまで、あらゆる分野の装飾に歌枕のデザインが用いられており、歌枕があふれていた様子が第5章の展示からもうかがえる。それらのデザインの中には、現在でも目にすることのできるものも多いため、身近に感じてもらえるきっかけになれば」と語った。

 古の鑑賞者は、和歌を手掛かりに個々の想像力で補い、五感を働かせてさまざまなストーリーを想像することを楽しんでいたことがうかがえる。私たちも能動的な鑑賞スタイルで歌枕の世界にたどり着きたい。

【会期】6月29日(水)〜8月28日(日)※作品保護のため、会期中展示替あり
【休館日】火曜 ※8月23日(火)は18:00まで開館
【時間】10:00〜18:00 ※金・土曜および7月17日(日)、8月10日(水)は20:00まで ※入場は閉館の30分前まで