ティーラウンジ「ザ・ガーデン」(六本木)
六本木の鳥居坂にある「国際文化会館」。国際的な会議や文化交流の場として、国内外から知識人が集うこの場所は、建物が国の登録有形文化財に、庭園が港区の名勝に指定されるなど、文化的価値の高さも魅力の一つとなっている。その庭園を眺めながらゆったり寛げるのが、ブッフェスタイルのモーニングから、気軽なランチやディナー、優雅なティータイムまで楽しめるティーラウンジ「ザ・ガーデン」だ。国際文化会館自体は会員制の施設だが、ティーラウンジやレストランは予約なしで一般客も利用可能と、穴場のスポットとして人気を集めている。
3000坪の広大な敷地は、江戸時代には大名屋敷、そして明治期には華族・久邇宮家の邸宅として、昭和に入ると三菱の四代目当主・岩崎小彌太の手に渡り、戦後の国有化を経て現在に至るという、歴史深い土地だ。そして、1955年に日本建築界の巨匠、前川國男、坂倉準三、吉村順三の三氏の共同設計により現在の旧館部分が完成。1976年には、前川國男の設計により新館も増築された。2005年に行われた大がかりなリノベーションでは、当初建て替えの案もあったそうだが、この歴史的価値のある建築を残してほしいという日本建築学会など多方面からの嘆願もあり、現在でも昭和を代表する名建築の姿を留めている。
ザ・ガーデンの特徴は、何といっても庭園を一望できる景観の良さ。ガラス張りの店内とその横にあるテラス席からは、四季折々の自然の移ろいを間近に感じることができる。「六本木のど真ん中にいるなんて思えないですよね。鳥のさえずりと水のせせらぎを聞きつつ、日々表情を変える庭と名建築を眺めてコーヒーを一杯――なんていうのは、なかなか他では味わえない贅沢な時間だと思います」とは、44年この地を見続ける理事長補佐の芦葉宗近氏の言葉だ。
提供される料理は全て、ロイヤルパークホテルのシェフによるもの。ホテルメイドのクオリティが気軽に味わえるのは嬉しい限りだ。「アメリカンクラブハウスサンドウィッチ」は、香ばしくトーストされた薄めのパンに、BLT、薄焼き卵とチキンハムの2種がサンドされたスリムサイズ。サクサクのパンと上品な味付けの具材の一体感がちょうど良い一品だ。このようにアラカルトが充実しているが、ランチタイムには、メインにスープ、パンorライス、コーヒーor紅茶がついた「週替わりランチセット 1,620円」や、日本の食文化を知ってもらうための丼物などの和食も人気がある。また、スイーツも、ショートケーキ、モンブラン、プリンなどの定番から、季節によって入れ替わる旬スイーツまで、楽しいティータイムが過ごせそうなラインナップが魅力だ。
優雅なカフェタイムを過ごしたら、ぜひ庭園におりて散策を。近代日本庭園の先駆者といわれる京都の造園家「植治」により作庭され、現在も年2回京都から庭師を呼び丁寧に手入れされるこの庭園は、2005年に港区の名勝に指定された。立派な枝ぶりの松や桜、どっしりと配された石組、水路を流れる心地良い水の音に癒されながら、回遊式の庭園を歩けば、森の中にいるような清々しい気持ちに包まれていく。「44年勤めていますが、この自然の景観には全く飽きることがありません。外国の方も多く来る場所ですから、この庭園や建築を通して日本の文化を感じていただけたら嬉しいです」と芦葉氏。
予約可能で駐車場も完備されているので、ゆったりとした雰囲気で、海外からの来客をもてなしたいワーカーにとっても、ザ・ガーデンは良い選択肢になりそうだ。
名称 | ティーラウンジ「ザ・ガーデン」 |
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所在地 | 港区六本木5-11-16 国際文化会館1F |
電話番号 | 03-3470-4611 |
営業時間 |
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定休日 | 年中無休 |
座席数 | 68席 |
公式サイト | https://www.i-house.or.jp/facilities/tealounge/ |
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