日本の出版史上最も美しい書物「嵯峨本」
世界有数のコレクションが揃い踏み
日本の書物史に燦然と輝く「嵯峨本」。その美しさと謎に満ちた世界を紐解く展覧会が、慶應義塾ミュージアム・コモンズ(KeMCo)にて開催される。
色鮮やかな料紙、きらきら光る地模様、斬新な挿絵に端麗な活字など、日本の出版史上最も美しい書物とも称される嵯峨本は、京都・嵯峨の豪商、
膨大な手間と高度な技術を惜しみなく注いで作られた嵯峨本は、まさに読む芸術品であり、江戸初期の出版文化の粋を極めた存在だ。
本展では、世界有数の嵯峨本コレクションを誇る千葉県銚子市・飯沼観音圓福寺の所蔵品を中心に、慶應義塾が所蔵する貴重な蔵書も加え、豪華絢爛な嵯峨本の実像に迫る。
展示室を埋め尽くすように並ぶ嵯峨本の数々は圧巻で、泰平の時代を謳歌する人々の好奇心と美意識を今に伝える。
会場では、いずれも料紙や装丁に工夫が凝らされた『伊勢物語』、『徒然草』、『方丈記』などの日本古典文学の名作を観ることができ、その美しさや面白さを堪能できる。
また、関連プログラムとして、飯沼観音圓福寺住職や研究者によるシンポジウム「飯沼観音圓福寺と嵯峨本(仮)」や、トークイベント、展覧会企画者によるギャラリートークなどが予定されており、嵯峨本の魅力を多角的に掘り下げる絶好の機会となっている。
さらに同時開催として、KeMCoの吹き抜け空間を活かした「ふとした点景」展も開催。展示を通して、大学のコレクションや学術資料に新たな光を当てる企画となっている。今回は現代美術家・岡崎和郎の作品を展示する。
幻とも称される嵯峨本の実物に触れ、その美と謎に浸るひとときは、書物が芸術だった時代の息吹を感じる豊かなものとなるだろう。
展覧会名 | 慶應義塾ミュージアム・コモンズ×飯沼観音圓福寺 嵯峨本の誘惑:豪華活字本にみた夢 |
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会期 | 2025年9月30日(火)〜11月28日(金) |
休館日 | 土曜日(ただし10月4日、11月15日は開館)、日曜日、祝日、10月6日(月)、11月17日(月) |
時間 | 11:00〜18:00 |
会場 | 慶應義塾ミュージアム・コモンズ 港区三田2-15-45 (慶應義塾大学 三田キャンパス 東別館) >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 無料 |
公式サイト | https://kemco.keio.ac.jp/ |
問合せ | 03-5427-2021 |
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