ヨーロッパ磁器の最高峰の一つ。日本と交流もあるセーヴルの300年の軌跡
洗練された絵柄や、優雅で気品のある形が王侯貴族に愛されたセーヴル磁器。18世紀の創業から現在までの各時代の特徴的な作風や注目された作品、日本との交流を中心に300年にわたる陶磁器製作の変遷を辿る企画展です。
1740年、パリの東にあるヴァンセンヌに軟質磁器製作所として開業しますが、国王ルイ15世の庇護を受けてパリの西のセーヴルに移転します。王立磁器製作所として、宮廷の彫刻家、画家が考案する図案を磁器に再現。ルイ15世の寵姫ポンパドゥール夫人の好みに応じて、愛らしい子どもや優雅な庭園をテーマにした作品が多数生まれます。絵にリアル感を出すために開発された新色の絵の具、無釉白磁のビスキュイ彫刻、セーヴルの象徴とも言えるブルーの地色なども開発されました。
本展では、時代に合わせた作品の変遷を見るため、「18世紀」、「19世紀」、「アール・ヌーヴォーとアール・デコ」、「1960年代〜現在」の4章で構成されます。
1章では、ヴァンセンヌ製作所からセーヴル磁器製作所となり、王立となって独自のスタイルを構築するまでが取り上げられ、食器セット、壺、テーブルセンターピースなどが紹介されます。
2章では、19世紀に所長を務めたアレクサンドル・ブロンニャールの業績を中心に展開。鉱山技術者であり、鉱物学、地質学、動物学の研究者でもあったブロンニャールによって、1824年に陶磁・ガラス専門の美術館が開館。製造技術の革新やステンドグラスといった磁器以外の芸術にも取り組みました。
3章では、アール・ヌーヴォー様式を取り入れ、パリ万国博覧会で絶賛を博したテーブルセンターピース「スカーフダンス」が展示されるほか、アール・デコ様式の作品も紹介されます。また、1904年に外国人初の「協力芸術家」となった沼田一雅(いちが)の《お菊さん》なども展示され、ビスキュイ彫刻の作品を展観できます。
4章では、1960年以降の抽象芸術家たちによる作品に注目。草間彌生《ゴールデン・スピリット》、アレクサンダー・カルダー《小型円卓の天板》、大相撲の優勝杯の一つとして製作されたピエール・スーラージュ《スーラージュの壺》など、各分野で活躍しているアーティストの自由な発想が楽しめます。古典的な優美さから現代的なクールさへと変わっていく過程が作品を通して楽しめます。
展覧会名 | 六本木開館10周年記念展 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年 |
---|---|
会期 | 2017年11月22日(水) 〜 2018年1月28日(日) |
休館日 | 火曜日(ただし1月2日、9日、16日、23日は開館)、12月30日(土)〜1月1日(月・祝) |
時間 | 10:00〜18:00 ※12月29日を除く金曜、土曜、11月22日(水)、1月7日(日)は20:00まで ※入館は各閉館時間の30分前まで |
会場 | サントリー美術館 港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階 >> 会場の紹介記事はこちら |
入館料 | 一般 1,300円、高大生 1,000円 |
公式サイト | https://www.suntory.co.jp/sma/ |
問合せ | 03-3479-8600 |
記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。