「特別展 木島櫻谷 ―山水夢中」プレス内覧会

泉屋博古館東京(六本木1-5-1)

  • 2023/6/2(金)
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「特別展 木島櫻谷 ―山水夢中」プレス内覧会

 京都画壇を代表する存在として近年再評価と再発見が進む日本画家 木島櫻谷。確かな画技に支えられた詩情豊かな山水画の世界を紹介する特別展が開催される。

 明治から昭和初期にかけて文展帝展で活躍した木島櫻谷(このしまおうこく 1877〜1938年)。実は泉屋博古館の展覧会により再び脚光を浴びた近代日本画家の新しいスターでもある。
 プレス内覧会では、櫻谷が暮らした京都・衣笠の櫻谷文庫(木島櫻谷旧邸)で遺品調査や整理に10年以上携わってきた実方葉子氏(泉屋博古館学芸部長)による解説が行われた。

 実方氏によると櫻谷の魅力は、その「巧みな筆さばき」、「抒情あふれる表現力」そして、なんといっても、「旅の魅力が凝縮した写生」にあるという。
 櫻谷文庫には約600冊あまりの写生帖が保管されていたが、本展では120年の時を経て、昨年、修復で蘇った大判の写生帖が展観されている。サッと描いたように見えるスケッチにも物語が感じられ、抒情感があり、作品にも匹敵する迫力と完成度で観る者に迫ってくる。
 代表作である、幅11m超の大山水《万壑烟霧》はまさに写生を醸成させた理想のパノラマ。深い渓谷が延々と続く水と山の壮大なストーリーは、一部、大分県の耶馬渓の写生をもとに描かれているという。耶馬渓にも訪れたという実方氏は、「実際に目の前に作品の世界が広がっていた。作品中の雲や雨あがりの日差しなど、空気感やにおいを感じられるほどの繊細な表現に注目してほしい」と語る。

 その他にも、通常非公開の《南陽院本堂障壁画》の一部が東京で初公開。櫻谷芸術の結晶《寒月》(展示期間:6/3〜6/18)と、櫻谷芸術のエッセンス《駅路之春》の2大作が初めて並んで公開されるなど、代表作揃い踏みの贅沢で圧巻の内容となっている。

【会期】前期:6月3日(土)〜6月25日(日)、後期:6月27日(火)〜7月23日(日)
【休館日】月曜日(7月17日は開館)、7月18日(火)
【時間】11:00〜18:00(金は19:00まで) ※入場は閉館の30分前まで
【画像】展示風景(主催者の許可を得て撮影)

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