鈴木ひょっとこ「彼方&release」

六本木ヒルズ A/Dギャラリー

  • 2023/6/16(金)
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鈴木ひょっとこ「彼方&release」

 浮世絵に描かれた人々の暮らしやユーモア、風刺表現に影響を受け、今と昔とが融合した絵画作品を制作するアーティスト、鈴木ひょっとこの最新作を紹介する展覧会が開催中。

 2003年武蔵野美術大学造形学部油絵学科入学、2007年同部映像学科アニメーション専攻卒業。2011年の個展「ひょっとこのはじまり」から“鈴木ひょっとこ”という名前で活動を開始。時代とともに新しく変化していく家電製品や飲食物といった消費される現代の生活用品をモチーフに、アニメーションのような躍動感やストーリーを込めた「家電図」シリーズなどを発表している。

 「絵は遠い他の人の手に渡って手元から消えていくが、その絵の残像だけは残っていく、という経験を繰り返した」という鈴木氏。この感覚を、釣り用語のcatch and releaseになぞらえて、本展のタイトル「彼方&release」にしたという。
 会場には、《富嶽三十六景》の富士山がよく見るとかき氷になっていたり、里見八犬伝に出てくるエピソードの一幕、芳流閣の屋根がスイカになっていたり、ドラム式洗濯機から錦鯉が飛び出していたり…思わず「クスッ」と笑みがこぼれそうな作品が並ぶ。また、タピオカ製造機からこぼれるタピオカの下で戯れる町娘の姿を描いた作品も一見ユーモラスだが、紛争などが絶えない現代社会への風刺も込められているという。

 「10年ほど前、インバウンドで活気溢れていた時代を象徴するような家電製品を、浮世絵の中に取り入れたことがきっかけとなり、新旧の生活に密着したものをミックスした作品を制作するようになりました。ちょうど行動制限が緩和された今、10年前のような新鮮な感覚で作品を見て頂けるのかもしれません。本展では、水やブルーを基調とした夏らしい作品が多いので、ぜひ、涼みにいらっしゃってください」と鈴木氏(写真)。

 会期は7月9日(日)まで、時間は12:00〜20:00、会期中無休。 作家在廊予定日時は6月24日(土)、25日(日)、7月1日(土)、8日(土) いずれも13:00〜17:00頃。

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