絵画を中心とした国内外の展覧会をはじめ、映画制作やホテル客室での壁画制作など、形式に捉われない作品発表を行う近藤亜樹の最新作を紹介する展覧会が開催中。

 1987年北海道生まれ、山形県在住。「描くことは生きることそのもの」と言う近藤の作品は、質量として感じられるほどのエネルギーに満ちている。
 会場は3.6mの大作をはじめ18点の新作で構成。実物を見ると、強い筆致と塗り重ねられた色の鮮やかさに圧倒される。その中で繊細に描かれた奥深い目の表情が、人間も動物もぬいぐるみも、みんな「誰かに会いたい」という気持ちを強く湛えているようだ。家族や友人や目には見えない存在に。そして過去や未来の自分にも。
 「長く辛い試練が起こり、私達の心は抑圧される。それでも雪が溶けるように、いつか心の奥底にある誰かに会いたいと思う気持ちは溢れだす。そしてわたしはあなたに会いたかったと気づき、声に出すことができれば、そのこと自体が大きな癒しとなりえる―」
 さまざまな経験を通して「わたしはあなたに会いたかった」という気持ちに、一人ひとりが気づいてほしいとの作家の思いが込められている。

【会期】6月10日（土）〜7月22日（土）
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜18:00
【画像】近藤亜樹個展「わたしはあなたに会いたかった」シュウゴアーツ, 2023
Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts, Photo by Shigeo Muto