原田直宏 写真展 「Tokyo Fishgraphs | 2020」

ZEN FOTO GALLERY(六本木6-6-9 ピラミデ2F)

  • 2024/4/5(金)
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原田直宏 写真展 「Tokyo Fishgraphs | 2020」

 東京を拠点に日本の伝統的な美術と写真表現の世界を繋げることを試みる原田直宏(1982年〜)。ZEN FOTO GALLERYでは、写真集「Tokyo Fishgraphs | 2020」から本展のために制作されたフィルム作品16点を紹介する。

 シャッター押すだけで作品になる魅力に引かれ、ストリートスナップを中心に撮り続けてきたという原田。2018年末、東京オリンピックに向けて日本を紹介する作品を制作したいと手探りでモチーフを探していた時に見つけたのが「魚」だった。魚は日本人に身近な存在ながら都市だけで生活をしていると生きている姿を見る機会は限られている。都市で記号のように存在する魚という存在に生を与えるように、まるで人間のモデルのように見立て、路地で撮影してみたという。選んだ場所は、歌川広重の浮世絵の傑作「名所江戸百景」に描かれた町。寿司や日本料理で使われるさまざまな魚たちを、日本的なモチーフと組み合わせ、木製大判カメラで撮影した。

 写し出された作品には、道からひょっこり顔を出していたり、帯のような布を纏っていたり、湯呑に頭を突っ込んでいたり、鏡を見つめていたり、それぞれのシチュエーションに合った豊かな表情が惹き出されている。

 「パンデミックというとても奇妙な経験を、日本の歴史と伝統を踏まえ、作品にユーモアを配した一方、死を身近に感じたこの時期を背景に、作品には、死んでいる魚を蘇らせるような、生と死の中間のような『ゆらぎ』も表現しています。作品はフィルムで撮影していますが、最近はプリント現像に習熟した職人も少なくなってきています。本作はそのような職人の貴重な技術もあわせて創りあげられています。ぜひ、黒色や影の表情を美しく惹き出すフィルム作品ならではの良さも感じてもらえればと思います」と原田氏。

【会期】3月29日(金)〜4月20日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】12:00〜19:00

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