麻布台ヒルズ ガーデンプラザA（B1F）にある飲食併設のアートギャラリー「Gallery & Restaurant 舞台裏」では、日本の現代アートシーンの草分け的存在であり、さまざまな領域でマルチに活躍し続ける日比野克彦の個展が開催中。

 平面作品だけではなく広告、舞台美術、そしてスポーツまで、アートシーンを領域横断的に開拓してきた日比野克彦（1958年〜）。
 1980年代後半から継続してライブペインティングの活動を続けてきた彼が、本展のキーワードにしたのは「公開制作」である。
 本展では、2024年2月にフランスのフォンフロワッド修道院にあるルドンの壁画のある部屋でVRゴーグルを装着してデジタル仮想空間に絵を描いてきた体験をベースに、あらためて脳の欲求と身体の快感の関係性をVRゴーグルを装着し、リアルなギャラリー空間にライブペインティングをしながら、同時空間に居合わせた観客と共に検証する実験空間を展開する。

 写真はオープニングイベント「公開ライブペインティングavecVR」のようす。日比野が実際に描く作品とともに手前のモニターでは仮想空間に描かれた作品もライブで楽しむことができる。
 日比野自身が象牙の塔に籠るのではなく、観客と交流し、共鳴しながら作品を磨き上げていくプロセスこそが、本展示最大の魅力。ホワイトキューブを逸脱した本会場ならではのペインティングを会場で体感したい。

 今後の日比野克彦によるライブペインティング公開制作日は、6月13日(木)、6月19日(水)いずれも20:00〜22:00を予定。ライブペインティング以外の日も制作途中の壁画や、制作のようすを記録した映像のモニター上映が鑑賞できる。

【会期】5月24日（金）〜6月23日（日）※観覧無料
【休廊日】月
【時間】11:00〜20:00