ジャヌアリオ・ジャノ日本初個展
「Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)」開催中

Gallery & Restaurant 舞台裏(麻布台ヒルズ)

  • 2024/9/6(金)
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ジャヌアリオ・ジャノ日本初個展「Otherness: An Inventory of Desire (The Sunset)」開催中

 ギャラリーとレストランが一体となったアートスペース「Gallery & Restaurant 舞台裏」にて、ジャヌアリオ・ジャノの個展が開催中。

 ジャヌアリオ・ジャノはアンゴラ出身で、現在はアンゴラ・イギリス・スペインの3か国を拠点に活動するビジュアルアーティスト。彫刻、ビデオ、写真、テキスタイル、サウンド・インスタレーション、パフォーマンスなど、幅広い分野で活躍し、作品はセルビア・ベオグラードのアフリカン・アート美術館や、ドイツ・フランクフルトのジャン=クロード・マイヤー・ギャラリーに収蔵されている。

 アンゴラがポルトガルから独立した5年後に生まれたジャノは、被植民地として長く支配を受けてきたアンゴラの歴史の中で生まれた様々な記憶、民族の移動や文化的な同化といったテーマが、その作品に反映されている。
 日本で初の個展となる本展では、アンゴラの歴史や文化を象徴する布やビーズなどの素材が用いられた、インスタレーションを中心とした新作が展示されている。

 会場では、アンゴラの太陽をイメージした赤い壁が作品と一体となりつつ、鮮やかに引き立たせている。メイン作品の一つ、《Mponda》に近づくと、表面に塗られている赤い蝋が血のように、布が生き物の皮膚のように見えた。と同時に、脇に展示されている球体のインスタレーションが肉体と対になる魂のように感じられる。
 Mpondaは個人的な思い出の詰まった、大切なものを入れる綿袋を指すそうだ。ジャノはこの作品にどのような大切な想いを込めたのだろうと考えさせられた。

 展示されているそれぞれの作品が切り離されず、関係性を保ちながら存在している。その中に鑑賞者が身を置き、観たこと、感じたことなどの体験自体が作品の一部になるそうだ。
 また、ジャノが今回の日本滞在で得たインスピレーションが、シリーズ作品である《Mponda》のこれからの姿を作り出すかもしれないと聞くと、その変遷を追い続けたくなる。

 日本では未だ見る機会の少ないアフリカ現代美術だが、世界のアートシーンで確実にその存在感を増している。ぜひこの機会に、色鮮やかで明るいだけではない、その奥深い世界に触れてほしい。

【会期】9月7日(土)〜10月14日(月)
【定休日】月曜 ※祝日の場合は翌平日が休業日
【時間】ギャラリー:11:00〜20:00 レストラン:平日13:00〜22:00、土曜 13:00〜20:00、日曜 13:00〜18:00
【写真】Courtesy of Januario Jano/photo by Ryo Yoshiya

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