六本木ヒルズ A/Dギャラリー
SNSで表現するときに自身が感じる「NEEDY(構ってほしい)」な部分を作品のコンセプトとするアーティスト、SOMETAの個展が開催中。
SOMETAは2020年から独学でデジタル画を描き始め、SNS中心に作品の発信を行い、2022年よりアーティストとして活動を開始。現代のSNS文化において多くの人が感じる評価や承認欲求に対する内面的な複雑な感情「NEEDY」をテーマに、アニメや漫画、カルチャー誌、ファッションなど、自身が強く影響を受けた要素を再構築したポートレート作品を制作している。
本展は、NEEDY Vol.1、Vol.2に続く第三弾となり、作家の集大成となる展覧会だ。前二回では開催地が原宿ということもあり、ゲーム機をサンプリングしたシリーズや、雑誌の表紙のようなmagazineシリーズなど、よりポップでデフォルメした作品が多かったが、今回は「少し大人になった」NEEDYな女の子たちのポートレートが描かれている。
思い思いに表現できる場であるはずのSNSなのに自己表現が得意ではない、かまってほしいけれど相反する想いがある、などの誰でも抱きがちなもどかしさに共感してほしいとSOMETAは語った。
「今回は自分が感じた2024年を表現しました。SNSなどで時代の勢いのある人やファッションなどを自分なりにミックスして再構築するなど。今回は六本木で開催すると聞き、背筋が伸びるような気持ちになった自身と重ねて、少し大人に。今までは描かなかった横向きの表情なども取り入れ、愁いげな雰囲気を出しました。かわいいけれど、それだけではない何かを感じ取ってほしいです。」
色使いや表情など、作品の中に描いた『SOMETAが感じた今の雰囲気』を観ると、時代の空気を取り入れ、咀嚼し、描き出す力量のすごさに目を見張る。また、驚いたのは取材時の会場の賑わいだ。平日の午後であるにも関わらず、次々と会場を訪れる人が後を絶たない。これはSOMETAの絵に込められた想いに共感する人が多いからでもあるだろう。
ぜひ会場で「NEEDY」な絵に、そして自分の中の「NEEDY」さに出合ってみてほしい。
【会期】9月27日(金)〜10月14日(月)※会期中無休
【時間】12:00〜20:00
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