シュウゴアーツ(六本木6-5-24 complex665 2F)
シュウゴアーツ恒例のグループ展「ShugoArts Show」が開催中。
今回は「アーティストの源流をたどる」と「抽象的な作品」をテーマに、6名のアーティストの作品を紹介。個展では最新作を展示することが多いが、本展は活躍を続けるアーティストの現在から遡り、その源流を観ることができる貴重な機会となる。
ギャラリーに足を踏み入れると、光を放つような抽象画が迎えてくれる。シュウゴアーツ創設時から所属している画家 小林正人の作品だ。床置き絵画へ展開する以前に発表された《作品12(木=天井画)》(1988)を中心に、国立にアトリエがあったころに描かれた小林の初期の作品が3点展示されている。
彫刻家 戸谷成雄の作品も、80年代の彫刻が3点。うち壁に展示されている2点は、タイトルに『象の鼻』がついているが、片方の《象の鼻 V「《彫る》から」より》(1982)は石膏を斧で彫る方法が採られている。もう片方の《象の鼻》(1984)で採られた戸谷が現在も主流とする、チェンソーを用いて木材を削り出す技法と異なるので、ぜひ比べて観てほしい。また、《森―I》は戸谷のライフワークとなった「森シリーズ」のプロトタイプとなる作品だ。
水を含んだコットンキャンバスにアクリル絵具を染み込ませて描く「ステイニング技法」を用いた丸山直文の作品は、近年では具象でありながら抽象的な水辺の風景などが描かれることが多いが、本展で観ることができる《クレブスカイロ I》は、同じ技法が用いられた抽象画であるところが面白い。ぜひ最近の作品との違いを楽しんでほしい。
そのほか、自作したモチーフ、写真やオブジェなどのある非日常的な日常世界を描く千葉正也、空気や光を取り込んでその場のエネルギーを表現する、透明なヴェネツィアン・ガラスの作品を制作する三嶋りつ惠、西陣織の材料となる銀や金のアルミ蒸着紙を支持体に使用し、光の変化にうつりゆく絵画を制作するアンジュ・ミケーレの作品を観ることができる。
【会期】9月21日(土)〜10月12日(土)
【休廊日】日月祝
【時間】11:00〜18:00
【画像】ShugoArts Show 展示風景, シュウゴアーツ, 2024 Copyright the artist, Courtesy of ShugoArts
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