まんが家、エッセイスト、作詞家、脚本家といくつもの顔を持ち、新しいキャラクターやエッセイを次々と生み出し続けた稀代のアーティスト、さくらももこの展覧会が開催中。
 1990年のアニメ化以来、国民的まんがとなった『ちびまる子ちゃん』やエッセイなど、ももこの代表作の数々を直筆原稿やカラー原画とともに紹介している。

 会場では『ちびまる子ちゃん』の原画で多くの人が足を止め、ゆっくりと鑑賞していた。なつかしいストーリーと再会し、夢中で読み込んでしまい、思わずクスっと笑ってしまう。また、エッセイの原稿が展示された部屋も圧巻で、久しぶりにももこのエッセイを読み返したくなった。

 ブラックかつシュールでどこか冷めた視点とユーモアセンスあふれるももこが、もし今の世界を見たらどのように表現するのだろうか、と新しい作品に出合えないことを寂しく思いつつ、ももこの遺した作品とその世界感をこれからも楽しんでいきたいと思わせる展覧会だ。

【会期】2024年10月5日（土）〜2025年1月5日（日）※会期中無休 ※会期中、展示替えあり（前期10月5日〜11月20日、後期11月21日〜1月5日）
【時間】10:00~18:00(金・土曜日、10月13日、11月3日は20:00まで) ※入場は閉館時間の30分前まで