「アーリーン・シェケット:信仰のその先」

Pace ギャラリー(麻布台ヒルズ)

  • 2024/11/6(水)
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「アーリーン・シェケット:信仰のその先」

 陶芸のジャンルに収まらないセラミック彫刻や、スチール、粘土、木材を組み合わせた示唆的なタイトルのハイブリッド彫刻で広く知られるアメリカのアーティスト、アーリーン・シェケットの日本初となる展覧会が開催中。
本展は新作や近年の作品が展示され、静と動の狭間にある作品はシェケットが長く惹かれてきた日本美術の静謐さと現代日本の活気ある物質文化という二面性に通じている。

 ギャラリーの2フロアに展示されている作品は、高さ2メートル近くあり、会場でも存在感を放つ《ドローイングを語る》(2022)のような床に立つ自立型の彫刻から、小スケールの彫刻が混在する。
また、シェケットの彫刻とドローイングとの関係への関心がわかる、今年制作された未発表の紙の作品や1997年の手づくりのアバカ紙による作品、2019年の布地のタペストリー作品など、幅広い作品を観ることができる。

 2Fのギャラリー中央に展示されているのは、シェケットの「トゥギャザー」シリーズの新作《Together: For Japan》(2024)。
 「トゥギャザー」はシェケットがパンデミックの時期に「自分の気持ちを反映するものを作るのではなく、自分が必要としていたもの、つまりカラーセラピーを反映するものを」と作られるようになったシリーズだ。
《Together: For Japan》は、グリーンとブルーが部分的に溶け合い、見る角度により形も色合いも変わってくる。抽象的にも具体的にも見える形と独自の質感、美しい色彩に、何度も作品の周りをまわって見入ってしまった。

 「Art Week Tokyo」のプレビューも兼ねていたこの日はたくさんの人でにぎわっており、シェケットの作品に高い関心が寄せられている様子がうかがえた。「Art Week Tokyo」の期間中はもちろん、この印象的な展覧会はクリスマス前の時期まで観ることができる。

【会期】11月1日(金)〜12月21日(土)
【休廊日】月曜
【開廊時間】11:00〜20:00

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