ゴジラ生誕 70 周年記念 「ゴジラ・THE・アート展」

森アーツセンターギャラリー(六本木ヒルズ森タワー52階)

  • 2025/4/25(金)
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ゴジラ生誕 70 周年記念 「ゴジラ・THE・アート展」

 「ゴジラとは、何か」
この問いに国内外のアーティストたちが、映画の枠を超えて自身の答えをアートによって表現する展覧会が開催中。

 第1作が公開されてから現在に至るまで、ゴジラは様々な形で描かれ私達の前に姿を現してきたが、それらは時代と共に、姿や概念は常に変化し続けている。
本展は日本を代表する現代美術家の一人である横尾忠則や、福田美蘭、O JUNなど、多彩なジャンルで活躍するアーティストがゴジラに向き合い、考え、生み出した新作が一堂に会する、ゴジラ×現代アートの大規模展覧会だ。

 エントランスには、まるでゴジラが破壊した後のような空間が広がっている。
入場してすぐ正面と左右の壁に展示されているのは、横尾忠則氏の《PARADISE》。1985年に発表された作品を本展のために再構成した、鮮やかなセラミックパネル16枚組の作品は、3点のうち1点は85年に発表された位置のままで、残りの2点は配置が変更されている。
その奥で見ることができる福田美蘭の作品《「ゴジラ」ポスター》は、科学技術の進歩に現代はどう向き合うかを問い直すため、近日公開という設定の架空の映画ポスターを絵画で制作。ゴジラの後ろには『AI』の文字があり、AI兵器が使われる現代戦争を示唆している。

 会場を進むと、私たちがイメージするゴジラとは異なる姿をした、巨大な木造彫刻が展示されている。
ゴジラとは<この国のかたち>と語るほど、ゴジラを普遍的なテーマを持つモチーフと捉える、彫刻家・小谷元彦の作品だ。
「人間の影の存在は、人間が本能的に恐怖を感じる<人のかたち>に通づる」と考えた小谷は、人型ゴジラと人間とを対峙させた。よく見るとゴジラに立ち向かう兵士の姿は、米兵と日本兵が融合していており、人間同士の争いも表しているようだ。

 続いて、2023年から渋谷PARCOで開催された全4回にわたる「GODZILLA THE ART by PARCO」の各回で発表された作品の一部が展示されている。
中村哲也が手がけた、ゴジラとキングギドラが向き合い今にも戦いを始めそうな彫刻や、「憧れを抱いたり、気持ちを強く持ちたい時などに心に現れてくる、神さまや仏さまと同じような存在」と、仏画のようにゴジラを描いた、アートユニット・TOKIの作品など、国内外で活躍するアーティストたちが様々な形でゴジラを表現した作品を観ることができる。

 本展の最後に展示されている、東宝映像美術によるゴジラとアートが融合した、大迫力のジオラマは必見。好きな角度から観て、写真を撮ることができる。また本展のために制作された特別映像も見逃せない。

 会場では、ここでは書ききれないほど、さまざまな視点からゴジラを表現した作品と出会える。観終わった後にぜひ自身の「ゴジラとは、何か」の答えにも出会ってみてほしい。

【会期】4月26日(土)〜6月29日(日)※会期中無休
【時間】10:00〜19:00(金・土曜日、祝前日は20:00まで) ※4月26日(土)〜5月6日(火)までの全日20:00まで ※入場は閉館時間の30分前まで

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