とやちかこ「開運日和」

六本木ヒルズ A/Dギャラリー

  • 2025/6/6(金)
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とやちかこ「開運日和」

 明るく鮮やかな色使いで観る者を惹きつける絵画を描く、とやちかこの個展が開催中。
本展では新作を中心とした20点ほどの作品を観ることができる。

 『幸せを運んでくるような作品にしたい』と、縁起のよいモチーフを取り入れた作品が並ぶ本展の晴れやかな雰囲気に惹かれるためか、ギャラリーに立ち寄る人が後をたたない。また、とやちかこ作品の長年のファンという人も何組か訪れていた。

 「招き猫をテーマにした新シリーズは、作品の中に幸せを呼ぶようなものを詰め込みたいという想いから生まれました。また、招き猫のカプセルトイをリリースしたこともきっかけです」。
会場では、招き猫そのものだけではなく、招き猫のポーズをしたパンダやうさぎ、招き猫のぬいぐるみを持つ女の子やネコ耳娘など、あらゆる姿の招き猫のほか、花や蝶などのラッキーモチーフもさりげなく描かれており、《Lucky Charm Gallery》(2025年)のように、宝船やだるま、富士山などのモチーフを詰め合わせた絵も並ぶ。

 本シリーズで特徴的だと思ったのが、色使いだ。カラフルであると同時にボルドーやモスグリーンなど深みもあり、どことなくパリのショップを思わせるような華やかさとシックさを併せ持つ色あいが、観る者の気持ちを高めてくれる。
「赤、ピンク、青などが好きで作品にもよく使いますが、最近はゴールドも好んで取り入れています。明るい色は見ているだけで気持ちも明るくなるので、作品を観てくれる人が幸せな気持ちになるように、と願いながら色の組み合わせを考えています」。
『観る人や持つ人が幸せになる力が絵に宿ったら嬉しい』という気持ちが、モチーフだけではなく色にも込められているのだ。

 本展では、名画を愛らしい動物たちで表現した、人気シリーズ「Loving Masterpiece」の作品も観ることができる。
『名画の中の人物がふとした瞬間に、動物に見えることがあるのでは?』という、とやちかこの問いかけから生まれたもので、誰もが知る名画を、馴染みのある動物たちでユニークに再現している。
「きっかけは、絵画に描かれた少女が子猫っぽく見えるな、と思ったことです。このアンリ・ルソー《フットボールをする人々》パンダオマージュは、登場人物の男性がパンダに見えてこのように描きました」。

 「Loving Masterpiece」も、新シリーズ「開運日和」も、猫が登場する作品がとても多い。「猫がお好きなのですか」との質問には、
「大好きで、子どもの頃にお絵かきする時も、猫を描くことが多かったです。私は猫にはお洋服がよく似合うと思っているので、モデルのようなイメージで、大切にしているモチーフです。でも、他の動物ももちろん好きで、本展の新作では犬も描きたかったのですが実現できなかったので、もう少し描き加えて作品集を作ることができたら、と思っています」。

 梅雨の憂鬱な気分も吹き飛ぶようなポップで幻想的な世界と、心が晴れるような色使いの絵画で、“開運詣で”を楽しんでみてはいかがだろうか。

【会期】6月6日(金)〜6月22日(日)※会期中無休
【時間】12:00〜20:00

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