ペロタン東京 (六本木6-6-9 ピラミデ1F・2F)

フランス・パリと韓国・ソウルを拠点に活動するアーティスト、リー・ベー(李英培)の個展がペロタン東京で開催中。
「炭のアーティスト」として知られるリーは、30年にわたり炭がもつ多様な側面や性質を探求し、絵画や彫刻を手がけてきた。本展では、墨筆の運びをもとにブロンズで起こした彫刻作品シリーズ《Brushstrokes》や映像作品、絵画など、リーの表現の幅広さをうかがうことができる。
会場に入ると、さまざまな形の黒くダイナミックな彫刻群が並ぶ。ぱっと見た感じでは墨の塊に見え、その形状から一見軽やかにも見えるが、近づいてよく見ると重厚なブロンズの質感が感じられ、第一印象とのギャップに驚く。
地球から生えているように立ち上がるものもあれば、天井から連なるように吊るされているもの、Qの字を描きながら舞い上がるように見えるものまで、全てリーの墨を用いて描いた線から生み出されている。平面的な絵画を立体的な立体彫刻に変換するという、卓越した技術を必要とする表現をその作品のように軽やかに実現しているのだ。
会場の2号室では、韓国で撮影した映像作品を観ることができる。
稲田を舞台に、田植えに先立って行われる土ならしの儀をリー自身が行うパフォーマンスの映像は、ゆっくりとした連続性のある動きとあたりの静けさ、田園地帯の風景で、観る者を瞑想的な世界へと誘う。あたり一帯を肥やしていく、その一挙手一投足がカンバスに向かうリーの身振りと響き合っているようだ。
一番奥の3号室には、2.5メートルほどの大きな絵画作品が展示されており、その迫力に圧倒される。チャコールインクで線を描くダイナミックな作品を通して、リーは自らの動きを時間を記録しているのだ。
外のエレベーターを上がった2階のサロンにも、リーの絵画作品が14点ほど展示されている。チャコールインクで紙に描いた3号室の作品に近いものもあれば、カンバスに墨とオイルパステルを用いて描いたもの、カンバスに墨のみで描いたものなど、多様な表現を観ることができる。
【会期】LEE BAE「The in-between」11月5日(水)〜12月27日(土)
【休廊日】日・月曜日、祝日
【開廊時間】11:00〜19:00
【画像】LEE BAE「The in-between」の1階展示風景。ペロタン東京にて
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