KAYOKOYUKI(六本木)

郊外の風景や人物像を主なモチーフとして絵画を制作するアーティスト・吉村宗浩の個展「町はずれの幻術」がKAYOKOYUKIで開催中。
吉村が描く森のなかに建つ家、道路沿いの建物、人々が集う広場…その光景はどこか見覚えのあるが、同時に不穏な印象を与える。鮮やかな色彩でありながら、どことなく不気味な存在感を放つ人物たち、そして説明されることのない物語の気配。吉村の絵画には、親しみやすさと不穏さ、懐かしさと異物感が同時に存在し、見る者はいつの間にかその世界へと引き込まれていく。
そして吉村の絵画には、繰り返し特徴的な人物が登場する。自分に重ね合わせる気持ちで描いてる人物・パロマー氏など、どこか頼りなく滑稽な登場人物に鑑賞者は惹きつけられるだろう。
また吉村は、完成した作品であっても手元にあると何度も描き直すという。その理由について本人は「美なんですよ」「いい絵を描こうっていうだけが絵を描いてる目的」と明かしている。本展で展示されている「真夏の試食会」も手直しを加えた結果、当初とは違うユーモア溢れる表現がされている。
ユーモアと不気味さを醸し出す吉村の絵画は、世界の片隅にいる誰かのための物語であると同時に、私たち自身の姿を映し出す鏡でもある。
ぜひ一度、この不思議な世界観を味わってみてほしい。
【会期】7月11日(土)〜8月29日(土)
【休廊日】日・月曜日、祝日(夏季休廊8月12日〜15日)
【時間】12:00〜18:00
【トークショー】8月8日(土)14:00〜15:30 吉村宗浩 × 保坂健二朗(滋賀県立美術館ディレクター)
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