井上裕起「salaMandala / BOADER」

六本木ヒルズ A/Dギャラリー

  • 2023/5/22(月)
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井上裕起「salaMandala / BOADER」

 salamander(山椒魚)をモチーフに、「進化」をテーマとして、現代の世相をシニカルかつユーモラスに表現する現代美術家、井上裕起(いのうえゆうき)の個展が開催される。

 井上裕起は1972年生まれ、神奈川県横須賀市出身。多摩美術大学大学院彫刻専攻修了。2003年の初個展からsalamander(山椒魚)をモチーフにした作品を制作し、国内外の画廊や百貨店での個展を中心に活動。日本の伝統や伝承に新しい素材を重ね合わせた独自のスタイルに特徴があり、近年ではアパレルブランドとのコラボ商品やアートグッズのデザイン等も展開している。

 会場には、鳥かごの中に入ったsalamanderの表情が印象的な作品《salamander [BIRDCAGE]》をはじめ、今なお世界中に蔓延している閉塞感や危機感を、境界線という仕切りに隔てられることによって生じた、内と外という空間に目をむけて制作された作品が並ぶ。アヒルにのった作品《salamander [UGLY DUCKLING]》やTシャツを身に着けた少し大型の作品《salamander [PLASTIC POLLUTION]》もそれぞれ惹きつける魅力があり、眺めていると解放感や未来の明るさも感じられる。

 井上がモチーフとして扱う生物はその生涯において一定の時期が訪れると変態するが、その境界線を越える瞬間に希望と覚悟を感じ、彼等を通じて人間の成長や人類の進化を想像する事が創作活動の源になっているという。
 彼が生み出すさまざまな表情のSalamanderをとおして、コロナ禍後の私たちの「進化」にもひとすじの希望を与えてくれるような空間となっている。

【会期】5月19日(金)〜6月11日(日) ※会期中無休
【時間】12:00〜20:00

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