yuta okuda solo exhibition

六本木ヒルズ A/Dギャラリー

  • 2024/5/10(金)
  • イベント
  • フォトニュース
yuta okuda solo exhibition

 目をみはる鮮やかな絵具で構成されたブーケ作品を中心に制作を続けキャリアを築き上げる、奥田雄太の個展が開催中。

 日本とイギリスにてファッションデザインを学んだのち、ファッションブランドでデザイナーとして活動。2016年にアーティストに転向した奥田雄太(1987年〜)。当初は計算した線のみで構成された細密画で表現していたが、近年は「偶然性」に重きを置いた“花”の作品を中心に国内外で発表を続けている。

 動画でも公開している奥田の制作方法は独特だ。キャンバスに直接、絵具を絞り出し、ヘラで花びらの形を描いた後、極細のペンでアウトラインを緻密に描いていく。混ざり合う絵具から生まれるストロークやそれによって生じる隆起などの偶発性とペンによる緻密な必然性を織り交ぜた華やかな世界が繰り広げられていく。本展では、代名詞ともいえる花の作品《with gratitude》シリーズのほか、ポートレート作品《children watching you》シリーズの新作を展示。
 奥田氏は、「どちらのシリーズもコロナ禍を通して、当たり前と感じていたことが実は特別な出来事だったと気づいたことが制作のきっかけになりました。《with gratitude》は、日常の感謝を作品にしたいという前向きな思いを、一方《children watching you》は子どもの目線を通して、コロナ禍にみられた大人のモラルの低下を今一度、戒めにしたいという思いを込めています」と語る。

 会場入り口から吸い込まれそうなほど、偶発性と必然性から創り上げられた奥田の世界が広がっている。混ざり合う絵具から生まれた色の重なり、力強さと繊細さをあわせた独特の質感、キャンバスの側面にも描かれた奥行きの深さなど、会場でじっくり鑑賞したい。

【会期】5月10日(金)〜6月9日(日)※会期中無休
【時間】12:00〜20:00

記事を探す

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。