「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2024  〜集めてつなごう 日本のデザイン〜」内覧会

国立新美術館

  • 2024/5/16(木)
  • イベント
  • フォトニュース
「DESIGN MUSEUM JAPAN展 2024  〜集めてつなごう 日本のデザイン〜」内覧会

 日本にはまだない国立のデザインミュージアムの姿について、第一線で活躍するクリエーターが全国各地でリサーチして見つけた日本各地の〈デザインの宝物〉をもとにアイデアを提案していく企画展が5月26日(日)までの期間、国立新美術館 展示室3Bにて無料開催されている。

 NHK番組「デザインミュージアムジャパン」では、北海道から鹿児島まで、19地域で、第一線で活躍する13人のクリエーターとともに各地の〈デザインの宝物〉とその背景にある生活文化をリサーチしてきた。そのうち13地域を2022年12月に同館で紹介。今回は6地域のリサーチ内容が紹介されている。

 造形作家・竹谷隆之氏は、「精緻ではなくザクザクと創られたカッコよさがある」と語る、北海道のニシン漁船に刻まれた〈化粧板〉を紹介。
 クリエイティブディレクター・小池一子氏は秋田県〈西馬音内盆踊り衣装〉を紹介。「現代の踊り手が昔の人が作った衣装を着るという、時間を経たものを継承する美しさや魅力がある」と語る。
 また、建築家・永山祐子氏は滋賀県大津市坂本で、石の形にほぼ手を加えず積み上げる「野面積みの石垣」をリサーチ。「指示書もなく口伝で積み上げられた外観のバランスの美しさだけでなく、石の小さな隙間がバッファーの役割を果たし、大地震にも耐えてきた強さがある」と解説する。
 この他にも、ブックデザイナー・名久井直子氏による山形でつむがれる〈古代の糸 世界最先端の糸〉、キュレーター/森美術館館長・片岡真実氏による愛知県常滑の〈すだれレンガ 電らん管〉、音楽家・永積崇氏による愛媛の左官たちが遊び心で伝えた〈こて絵〉など、多彩な〈デザインの宝物〉がその背景にある物語とともに紹介されている。会場デザインを担当したのは田根剛氏(建築家)。

 全国のあちらこちらに、〈デザイン〉というフィルターを通したとたんに輝き始める〈宝物〉がたくさん眠っている。本展は〈デザイン〉の定義を皆で考え、さまざま〈デザイン〉を通して日常の生活を見つめ直す貴重な機会となるだろう。

 写真右から竹谷隆之氏、小池一子氏、名久井直子氏、永山祐子氏、岡本健氏、野見山桜氏、田根剛氏、倉森京子氏

【会期】5月16日(木)〜5月26日(日)
【休館日】火曜
【時間】10:00〜18:00(金曜は20:00まで) ※入場は閉館の30分前まで

記事を探す

記載内容は取材もしくは更新時の情報によるものです。商品の価格や取扱い・営業時間の変更等がございます。